いいアイデアに気づいたらレッドオーシャンを泳げ
良いアイデアは当たり前のことのように思えるため、持っていると出遅れていると感じがちだ。それよってためらってはいけない。出遅れていることが心配になるのは、良いアイデアであることの兆候の一つだ。10分ほどネットで検索すれば、大抵その疑いは収まる。たとえ他の誰かが同じことに取り組んでいるのを見つけたとしても、遅すぎるということは十中八九ない。スタートアップが競合他社に殺されるのは非常に稀だ― — その可能性をほとんど無視できるほどに。だから、ユーザーがあなたを選ぶことを妨ぐようなロックインを持つ競合他社を発見しない限り、そのアイデアを捨ててはいけない。
確信が持てないのなら、ユーザーに訊くんだ。遅すぎるかどうかという問いは、あなたが作ろうとしているものを緊急に必要としている人がいるかどうかという問いに集約される。もし一部のユーザーが緊急に必要としていて、競合他社にはない何かをあなたが持っているのなら、そこには発展のための足掛かりがある。
問題は、その足掛かりが十分に大きいかどうかだ。そしてさらに重要なのは、そこに誰がいるかということだ。もしこの足掛かりが、将来的により多くの人が行うようになることをやっている人たちで構成されているのであれば、どんなに小さかったとしても、おそらく十分な大きさだ。例えば、電話上で動作するという点で競合他社と差別化されたものを作っているが、最新の電話でしか動作しないという場合、それはきっと十分な大きさの足掛かりだ。
競争相手がいるところで物事を行っても全く問題ない。経験の浅い創業者はよく、競争相手を過大評価してしまう。成功するかどうかは、競争相手ではなく、自分にかかっている。だから競争相手のいない悪いアイデアよりも、競争相手のいる良いアイデアの方が良い。
皆が見落としている見解をあなたが持っていさえすれば、「混み合う市場」に参入することを心配する必要はない。実際、それは非常に有望な出発点だ。Googleはそういうタイプのアイデアだった。
しかしあなたの見解は、「最悪じゃないxを作る」よりも正確でなければならない。既存の企業が見落としている何かを言い表せなければならない。何よりも良いケースは、既存企業に信念を持つ勇気がなく、彼らが自らの洞察に従っていたのなら、あなたのプランは彼らが実行していただろうと言える場合だ。Googleもそういう発想だった。先行していた検索エンジンは、自分たちがやっていることの最も根本的な意味合いを避けていた――特に、より良い仕事をすればするほど、ユーザーがより早く去っていくということを。
検索が早ければ、検索はすぐ終わってしまう
しかし、検索が早いことはユーザに価値がある
混み合っている市場は、需要があることと、既存のソリューションのどれもが十分に優れていないことの両方を意味するので、事実良い兆候だ。スタートアップが、明らかに大きく、かつまだ競合がいない市場への参入を望むことはできない。
つまり成功するスタートアップはどれも、
既存の競合他社がいる市場に参入しつつも、すべてのユーザーを獲得する秘密兵器を持っているか(Googleのように)
小さく見えるが結果的には大きくなる市場に参入するか(Microsoftのように)
のどちらかになるだろう。