MAGAの残酷さ
2026-06-01 Pogroms, American Style
トランプ政権の移民政策は「不法移民を取り締まる」という建前をとっくに捨てており、合法・非合法問わず移民を叩き出すことが目的になっている。クルーグマンはこれを「ポグロム」と呼ぶ。
NYTの報道によれば、Stephen Millerが全連邦機関に命じて、雇用・医療・金融・住宅・保育補助金など「本来移民取り締まりとは無関係な政策ツール」をすべて移民排除に転用させている。
極めつけは、アメリカ生まれの子ども(つまり合衆国市民)であっても、親が外国生まれなら連邦保育補助を打ち切るという規制変更の計画。生粋の自国民を血統で差別するのと同じ発想で、クルーグマンは「ユダヤの星バッジでも付けさせるつもりか」と吐き捨てる。
ICEの収容施設では過密・医療放置・粗悪な食事が横行していると見られるが、ICEは議会議員のアクセスすら繰り返し違法に拒否して実態隠蔽に躍起。上院議員アンディ・キムが施設外で催涙スプレーをかけられる事態まで起きている。
ある被収容者が看守から「お前が自ら強制送還を申請するよう、生活を地獄にするのが俺の仕事だ」と告げられたと証言。クルーグマンはこれが政策の本質を正直に語ったものだと断じる。
実際、純移民流入はおそらくマイナスに転じた。トランプ政権はこれを勝利として宣伝しているが、なぜそれが良いことなのかは一切説明しない。
移民排除が雇用増をもたらすという主張は現実に砕け散った。労働年齢人口の伸びが止まったと同時に雇用創出も止まり、ネイティブ生まれ成人の就業率はポグロム開始前より低い。
移民が犯罪を増やすという神話も実証的に否定されており、移民が多いニューヨークの犯罪率は歴史的低水準だ。
この政策は支持されてもいない。トランプの移民政策支持率は就任当初のプラスから今やマイナスに落ち込んでいる。ギャラップによれば国民の78%が不法移民にも市民権取得の機会を与えるべきと考え、85%は「親に連れてこられた子ども」への同様の機会を支持している。
ならば何のためにやっているのか。結論は人種差別と嗜虐性だ。難民受け入れはほぼ全廃したのに、白人の南アフリカ人だけは枠を大幅拡大して連邦支援まで付けている。それ以上の説明が必要か、とクルーグマンは問う。
ICEの残虐行為は移民を自主帰国させるための手段でもあるが、「有色人種を痛めつけ恐怖に陥れること自体がMAGAの一部の人間にとって目的だ」というのが核心だ。アトランティックのアダム・サーワーが書いた「残酷さこそが目的(The Cruelty Is the Point)」という命題をクルーグマンは引いて、これを我々が黙認するなら国家としての問題だと締める。
2026.03.23 【分析】トランプ氏、「よかった、死んでうれしい」 故人に対する無神経発言は新たな境地に - CNN.co.jp