ICE
Aug 20, 2025 ICEing the U.S. Economy - Paul Krugman
ICEによる大量追放は、関税以上に経済をぶっ壊す。
トランプはICE(移民税関取締局)を秘密警察みたいにした。覆面で身元も示さず人をさらい、トラックに逃げる家族に銃撃、窓割って「轢かれそうになった」と嘘をつく。収容所は「ICE群島」とでも呼ぶべき地獄の環境。裁判官に「床で寝かせるな、マットと3食を与えろ」と命令されるレベル。
One Big Beautiful Bill Actでさらに巨額予算がICEに投入される。収容所10万人分増設、逮捕・送還要員1万人増員。こんなのが権力持ったら何するかは火を見るより明らか。
ここまででも十分ヤバいけど、経済的なインパクトも無視できない。
不法移民は米労働力の約5%。一気に大量排除したら労働供給が減る
移民は特定産業に偏っている:農業、食肉加工、介護、建設など
だから「数%労働力減った」じゃなく、その産業が壊滅する
農業だと160万人の有給労働者の大半が移民。半分消えたら農業生産は壊滅、食料価格急騰
同じことが他の移民依存産業でも起きる
移民は「アメリカ人がやりたがらない仕事」を担ってる。だから代替は効かない。強制送還はネイティブの雇用を増やすどころか、物価を上げ、生活を苦しくする。
A Lawless Nation - Paul Krugman
この記事はクルーグマンが「もし逆の立場だったら?」という思考実験を使って、アメリカでの現実の出来事=ジョージア州のヒュンダイ工場移民局(ICE)強制捜査事件を批判している。
想像実験:もしメキシコで米国企業の工場が捜索され、米国人労働者が英語通じない当局に鎖でつながれて収監されたら、米国は激怒し、報復や制裁まで議論になるだろう。
現実:それが実際にアメリカで韓国ヒュンダイの電池工場に対して起きた。数百人の韓国人労働者が逮捕され、鎖につながれ劣悪環境に収監。ICE職員は韓国語が分からず、違法滞在と誤解。
韓国は当然強い反発。韓国メディアは「奴隷狩りの光景」と批判。韓国は高度な経済大国であり米国の同盟国なのに、この扱いは深刻な外交問題。
背景:スティーブン・ミラーが課した「1日3000人逮捕ノルマ」で、ICEが暴走。工場にいた非白人をまとめて捕まえた。
アメリカ国内ではニュースがあふれていて注目度は低かったが、外国企業や政府の目には「米国はもはや法治国家ではない。投資するには危険な国」と映る。
トランプは「外国投資が急増している」と吹聴するが、こんな事件を見ればむしろ外国企業は米国投資を避ける。
アメリカ自身が「ならず者国家(shithole country)」に見えてしまう状況。これは一企業の問題ではなく、国際的な信用と投資環境を揺るがす
The Hellscapes of Their Minds - Paul Krugman
https://www.youtube.com/watch?v=ZXUdVSTnddw
ICE「NY水攻め」宣言 → 暴力フラグ
武装職員がクイーンズの繁華街に突撃、外見で“不法”判定 ⇒ ほぼ全員が標的。
デモ+催涙ガス+取り締まり暴走の危険大。
NYは犯罪地獄じゃない
クイーンズ殺人:1990年312件 → 直近56件。移民増えても治安は改善。
住民200万超でも全国平均以下の殺人率。「パン買いに行ったら撃たれる」なんて大ウソ。
本当の危険は銃と車
米国は交通死亡が他先進国より桁違い。NYの地下鉄は車より安全。
なのに政権は渋滞課金を叩き「地下鉄は危険」と連呼。
「移民=犯罪」は差別の方便
根っこは人種差別。都合のいい作り話で自分を納得させてるだけ。
気に食わないNYにダメージを与え、エプスタイン報道も隠せて一石二鳥?
多分大失敗、でも被害は出る
1. 包囲作戦は空振りの公算大。
2. 無実の住民や労働者が巻き添え。
3. “劇場型取り締まり”のツケは市民へ。
https://youtu.be/HrX19fTCz2c?si=3g-uVpeA0hYqPCXE
Making Immigration Great Again - Paul Krugman
https://gyazo.com/a86565848eb3ba1fdb92f59f9cc21897
先週 L.A. マッカーサーパークで ICE がやった移民一斉摘発
住民が事前に逃げたおかげで、武装した連邦職員が空っぽの公園で「抵抗は無意味だ!」と空振り
ICE トップは「見た目で不法移民と判断して拘束できる」と豪語。次は流血沙汰になってもおかしくない。
政治アナリストは「強制送還はトランプの得意技」と読んでたが、世論は逆。ギャラップ調査で「移民 OK」が史上最高。市民権への道を支持する人は、追放支持の2倍。
2023 年の超党派改革案もトランプが潰した。
2023 年に芽生えた「国境強化+ドリーマー救済」の取引は、選挙戦術を優先するトランプの反対で共和党が引き、2024 年 2 月に公式に撃沈した
政権交代後は普通「温度調節(thermostatic)」で支持率が揺れるが、今回はそれ以上。
追放論の根拠は「移民犯罪激増」という大ウソ
L.A. は今年、殺人が 60 年で最少ペース。
ニューヨークが本当に怖かった 70〜80 年代は、むしろ移民が最少だった時期
ICE が暴力犯を捕まえられないのは、そもそもそんな移民が少ないから
ざっくり試算すると暴力犯罪歴付き不法移民は 1.4 万人しかいないのに、ミラーは「1日 3000 人逮捕しろ」と号令。だから農場やホームデポ駐車場で真面目な労働者を狩る羽目に。
嘘がバレ始め、残酷ショーがむしろ「移民=普通の人間」を可視化。大多数のアメリカ人は本能的にそこまで残酷じゃない。
労働力不足で農業・建設業も悲鳴。裁判所も大量逮捕にブレーキをかける可能性。