21世紀のロンバード街
ペリー・メーリング(ボストン大学経済学部教授)
著者ペリー・メーリングの基本的な立場を彼は「マネービュー」と呼ぶ。これは純粋な経済学でもない、また純粋なファイナンスでもない、銀行の実務、特に中央銀行の実務に沿った、むしろ古典的なお金と経済の見方となる
メーリング『21世紀のロンバード街』は、このバジョットを21世紀にアップデートしたものだ。
現代の金融の世界では、銀行の果たす役割はかつてほど大きくない
2007、2009年のリーマン・ショック/世界金融危機は、シャドーバンクが引き起こした危機だと言われたのをご記憶だろう。通常の銀行ではないけれど、銀行と似た機能を果たす機関だ。だからいまや金融危機が起きても、バジョット的な仕組みだけでは不十分だ。銀行だけ救っても、世界経済は救いきれない。 そういうもの(シャドーバンク)は潰してしまおうという意見がたくさん出たが、メーリングは不可能だと考えた シャドーバンクは単なる規制逃れではない。それは間接金融から直接金融への流れの一部として必然的に登場したものだ。だからそれがあっさり消えることもない 実際FRBはシャドーバンクを含めた形での金融危機への対応をやった
本書は、その活動を中央銀行の思想の歴史に位置づけ、そしてそこから、中央銀行の新しい役割を提唱する。
それが「最後のディーラー」「頼みの綱のディーラー」だ。