起業のエクイティ・ファイナンス 経済革命のための株式と契約
https://gyazo.com/73d7ba85f7e8eee2bf614a42553569bf https://www.amazon.co.jp/起業のエクイティ・ファイナンス-経済革命のための株式と契約-磯崎-哲也/dp/4478028257/
2014
「エンジェルに少額の投資で大量の持分を取られてしまった場合」の是正の方法
「大企業からのスピンオフ、MBOを成功させる」際の勘所 ベンチャーは、成長してたとえ時価総額1,000億円の企業になったとしても、日本全体の資産からすれば、たった0.01%以下程度の非常に小さな存在にすぎません。
その(たった)1,000億円とか1 兆円の時価総額のベンチャーが10社、20社誕生すれば、自ずと「日本全体の意識」は変わっていくはずです。重要なのは成功例・成功体験です。
序章 今後の「ベンチャー生態系」の変化を考える
ベンチャーを取り巻く環境の進展
ベンチャー活況の理由/現在のベンチャー環境の課題
M&Aはなぜ徐々にしか増えないか?/M&Aの加速効果
ベンチャー生態系の中で今、何が起こっているか
起業とイノベーションとベンチャーの関係/企業は実は結構入れ替わっている/
起業を支えるファイナンス
日本のベンチャー投資は米国の歴史をなぞる
ベンチャー・ファイナンスではタイムマシン経営が成り立つ/
ベンチャーにもチャンスがある/エンジェルは「これから」登場する
本書の構成
順当に成長するベンチャーのファイナンス/
株主構成の是正が必要な場合のファイナンス/
ベンチャーキャピタルのストラクチャー/ベンチャーの未来ビジョン/
ひな型を用意
第1章 創業初期から考える資本政策上の注意点
なぜ資本政策が重要なのか?
なぜエクイティ・ファイナンスするのか?
「時間」と「信用」を買う/自己資本は「信用の源泉」である/
株式で「仲間」を増やす
株式以外の資金調達
上場でのexitとM&Aでのexit
基本的には上場できるほうが有利/経営者が会社をどこまでコントロールできるか/
IPOでは持株全部は売却できない/企業価値と株式の購入者の数・目的も異なる/
「金だけが目的」の経営者は上場してもうまくいかない
仲間で起業する際の資本政策
共同創業の資本政策上の問題点/「仲良し」な資本構成の実例/
創業株主間契約の例/持分の多さと返還のパターン
意外に怖い、返還時の税務
1.「個人→個人」の譲渡のケース/
2-a.「個人→法人」の譲渡のケース/
2-b. 発行会社自身が引き取るケース/譲渡時の税のまとめ/会社法上の問題/
「株+契約」で一体とみなせるか?/優先株式発行時の普通株式の譲渡
本章のまとめ
なぜ投資契約を結ぶのか?
なぜ数百万円の出資なら、数%程度に持株比率を抑えるべきなのか?
投資契約書のひな型解説
投資の目的/資金調達の概要/資金の使途/表明と保証/払込義務/
払込後の経営者の義務/事前協議事項/投資家の保有する株式の譲渡/
買取請求権/共同売却権/機密保持義務/「ハンズオン」の責任の限定/
その他雑則
本章のまとめ
第3章 優先株式を使った投資実務
優先株式を活用する
重要さを増す優先株式/M&Aの増加に優先株式の普及が必要な理由/
投資額の増大に優先株式が必要な理由/「pre」「past」は企業価値を表しているか?/
優先株式の問題点/優先株式はどうすれば普及するか?
優先株式とは何か
残余財産分配権とは/「AND型」の残余財産優先分配権/
「OR型」の残余財産優先分配権/「3倍」の残余財産優先分配権/
定款での残余財産分配権の定め/残余財産分配権の「倍率」/登録株式質権者/
「参加型」の分配
株式分割、株式併合や低価発行の想定
普通株式への転換(取得請求権と取得条項)
強制的な転換と端数処理
例外的なexitへの対処
事業譲渡等の場合
ドラッグ・アロング(drag-along)権
経済的権利以外の権利(コントロール権)
本章のまとめ
まず「convertible note」を理解する
「日本版」を考える際に考慮すべきこと
「負債」だと債務超過になりやすい
貸金業法に触れる可能性も
「みなし優先株式方式」の概要
「みなし優先株式方式」の特長と要注意点
シンプル!/フレキシブル!/債務超過になりにくい/次の優先株式に負けない
要注意点
ひな型の概要
用語の定義
優先株式への転換条項
次回投資のvaluation で転換株数を調整する方法
みなし優先株式の譲渡時の価値の担保
優先分配権
1. 現金対価の株式譲渡による買収の場合/2. 現金対価の株式譲渡以外の買収の場合/
3. 事業譲渡や会社分割の場合/4. 会社を清算する場合
税務への備え
年またぎに注意
ドラッグ・アロングの設定
「適格ファイナンス」を行うインセンティブ
3,000万円規模の投資を受ける場合
よりシンプル?な方法(日本版safe)
本章のまとめ
第5章 経営者の持分を是正する「乙種普通株式」
資本構成の是正の必要性とは
乙種普通株式発行の例
「エンジェルが持ち過ぎ」の例/是正せずにVCが投資した例/
乙種普通株式による是正の例/残余財産優先分配権と普通株式の価値/
M&Aでのexit金額と分配割合/M&AによるexitとIPOによるexitの違い
議決権/乙種普通株式の劣後性/株式分割等の場合の取り決め/
普通株式への転換/配当/みなし清算
乙種普通株式が使える条件
他のタイプの乙種普通株式の例
乙種普通株式の税務上のリスク
発行時/M&Aの分配時/普通株式への転換時
会社法上「特に有利な金額」か?
ストックオプションで是正を行う方法の問題点
無償のストックオプションを使う方法/有償ストックオプションを使う方法
本章のまとめ
第6章 スピンオフ、MBOを成功させる
なぜコーポレートベンチャーがうまくいかないのか?/
なぜ合理的な意思決定ができないのか?/ベンチャー向きの事業かどうか/
チャンスの到来を待つ/「オープン・イノベーション」のための資本政策
スキームの全体像
解決すべき状況/持株会社の設立/投資家からの出資/
既存株主がすべていなくなる場合/合併等の実施/既存株主が残る場合
優先株式を活用した具体的スキーム
優先株式の設計上の工夫/持株会社の設立(普通株式)/
ベンチャーキャピタルの出資(B種優先株式)/運営会社の合併等/
合併比率等は「1.0」に決めてしまう
税務上の問題
合併比率の決定/普通株式への転換等のリスクがない
本章のまとめ
第7章 議決権の異なる株式を用いる「dual class」
米国のdual classの活用例
Googleによるdual classの採用
Googleの取締役/経営者に「代わり」はいるのか?/対買収戦略をとることは「悪」か?
日本版dual classのスキーム
「単元株」による議決権の設計/普通株式とB種類株式の経済的価値は同じ/
種類株主総会をなるべくしない工夫/B種類株式の譲渡制限/
B種類株式から普通株式への転換は自由/
dual classへの変更手続き
本章のまとめ
第8章 これからの日本のベンチャー投資ストラクチャー
株式会社がファンドを運営するのは日本だけ?
ベンチャー投資はなぜ「個人」が重要なのか?
有限責任の重要性
有限責任とモラルハザード
パススルーの重要性
LLP-LPSストラクチャー
登記上の注意
LPS契約書の実例
「carried interest」と「成功報酬」
ファンドの税務は「せこい話」ではない
なぜ株譲渡所得は分離課税で一定の税率なのか?
組合の税務の原則
「分配割合」が重要キーワード
組合員の所得の計算方法
成功時分配額に関するLPS契約書の例
本章のまとめ
終章 ベンチャーの未来ビジョン
社会にとって起業/ベンチャーとは何か
起業は雇用を増加させる/起業への投資は経済成長に直結する/
税収増に直結する/市場メカニズムを支える機能/
「多様性」によって社会は豊かになる/「競争」がクオリティを上げる/
日本に不足しているのは「投資額の大きな競争」だ
ベンチャーに政府が関与する意味
規制緩和/より良い均衡への移行の補助
10年後の日本のベンチャー投資のビジョン
起業を活性化させる政策とは?
政策① ベンチャーキャピタルの数と資金量を増やす
政策② 企業からベンチャーへの資金の流れを増やす
政策③ ベンチャーのexit を促進する
政策④ LLCパススルー税制で、起業しやすい環境を作る
政策⑤ ベンチャーキャピタルのGPとしてLLCを活用する
政策⑥ 会社法の柔軟化
ベンチャーが生み出す社会の変化
「ステークを持つ」生き方
おわりに
別添
別添1 株式譲渡に関する覚書(創業株主間契約書)
別添2 投資契約書(シード・ラウンド用)