ラー
隼の頭を持つ男性神として表現される。
ホルスも同様に隼の姿をした天空神。
「オグドアド」と呼ばれる一群の神々が、あるときまとまって一つの睡蓮を生み出した。ある説によれば、この睡蓮の上に鳥(鳥の種類についても異説あり)が卵を産み付け、そこからラーが生まれたとされる。
別の伝承では、睡蓮の花からラーが生まれたという。
さらにまた別の伝承では、睡蓮の花が開くとその中にはフンコロガシがいて、そのフンコロガシ(スカラベ)が美少年ネフェルトゥムに変わり、彼の涙から人間が生じた、とされる。 多神教の世界では、風景が単調だとそれらを神格化した存在の種類も少なくなる。
ただし、どんなに単純な風景でも、朝になれば必ず太陽は昇る。
そのため、エジプト人はまずこの太陽を神格化したらしい。 老いたラーに対する信仰心を薄れさせていく人間たち。
それが面白くなかったラーは自分の右目をえぐり出し、女神セクメトを生み出した。 太陰暦から太陽暦へ
オリシス、イシス、ネフティス、セトをラーの孫とする神話もある。 そしてこの場合、ゲブとヌトを引き剥がしたのはラー。 引き剥がしたとき、すでにヌトは妊娠していたが、ラーは無残にも「一年三百六十日、どの日にも子を産んでもいけない」と言い渡した。
一年が三百六十日となっているのは、三十日×十二ヶ月。
困り果てたゲブとヌトを助けたのは知恵の神のトト。トトは年を司る月の神のもとに行き、セネト(すごろくのようなゲーム)をしようともちかけた。トトはこのセネトで月の神に五連勝し、「五日分の時を自由にする権利」を得る。 これを使って従来の太陰暦三百六十日に五日をつけたし、その日にヌトが出産できるように計らった。この場合は五人兄弟でホルスを含む。
このとき、太陰暦から太陽暦に移行した。