マークアップ言語
(2018/4/25)
テキストに特殊タグをつけて太字にしたりリンクにしたりする記法をマークアップ言語と呼ぶ。最近最も流行しているマークアップ言語はHTML(HyperText Markup Language)だが、それ以前にも様々なマークアップ言語が提案されたり利用されたりしている。 次に広く利用されているマークアップ言語はroff(run-off)だろう。roffなんて聞いたこともないという人が多いと思うが、Unixのマニュアルはすべてroffで記述されており、LinuxでもMacOSでもターミナルでmanコマンドを起動するとroffで整形されたヘルプを見ることができる。 マークアップ言語を誰が最初に発明したのかは知らないのだが、Brian Reidが開発したScribeというマークアップ言語は初期のもののひとつだと思われる。Scribeはカーネギーメロン大学などで論文書き用に広く使われていたようだが現在は全く使われていない。しかしTeXで現在も使われているBibTeX形式のデータはScribeの由来らしく、記法に昔の名残が見られる。 Brian Reid氏はしばらくGoogleで働いていたのだが、無能だと言われて解雇されてしまったらしい。しかしその9日後にGoogleはIPOを成功させ、Reid氏は巨額のストックオプションを貰いそこねたらしい。それを不服としてReid氏は訴訟を起こしてひと悶着あったようなのだが、最終的に和解したようである。波乱万丈で面白い。 最近流行しているマークアップ言語のひとつにMarkdownというものがある。HTMLをより簡潔に記述するために開発されたもののようで、GitHubなどで標準になっているためエンジニアの間ではメジャーになっているのだが、はっきり言って面倒が多すぎる。生のHTMLを記述した方が楽なのではと思うことすらある。とっとと絶滅して欲しいのだが、生半可にMarkdownに慣れたエンジニアは「Markdownサイコー!」と誤解している人も多いようなのが困ったものである。Scrapboxのマークアップ記法は、WikiやHTMLやScribeやTeXやroffやmarkdownなどをすべて体験したうえで採用しているものなので、そのあたりをふまえて議論をしてもらえるとありがたいと思っている。(もっと良いサイコーな記法があるならば喜んで採用させていただきます)