文法:中動表現(中動態相当)
例えば、以下のような文がある:
Ƣitavigwe pōyu āшtatix cwaъe. (我々が)そこで転倒を繰り返す。
これは普通の能動文であるが、受動文にすると次のようになる:
Twalivigwe zapōyu āшtat cwaъe. そこで転倒が繰り返される。
このように、目的語(ここでは「転倒」)を主語にしたい・主語を明示したくない場合があるが、上のような表現には冗長さがあり、また「転倒がやられている」というのが半ば不自然である。
そこで、動詞アラインメント上、目的語の部分を主語として扱って(ただし、項は能格型アラインメントであるため格に変わりはない)、次のような文を作ることができる:
Twatavigwe pōyu āшtatix cwaъe. そこで転倒が繰り返される。
これが中動態相当の表現となる。
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上の例は、元となる能動文において主語と目的語の人称が異なる場合のものである。では、それらが同じである場合はどうなるのか。
例文を以下のようにしてみる:
Twatavigwe pōyu āшtatix cwaъe. (彼らが)そこで転倒を繰り返す。
このとき、中動態相当表現は次のようになる:
Twatavigwe pōyu āшtatix cwaъe. そこで転倒が繰り返される。
しかし、これだと元の能動文と同じになってしまう。そこで、能動文との区別を意図する場合は、以下のように倒置することで元の目的語にあたる部分を強調し、中動態相当表現であることを仄めかすという方法がある:
Āшtatix twatavigwe pōyu cwaъe. そこで転倒が繰り返される。
能格-絶対格 アラインメントの外に目的語がある場合
受動文の場合に似て、格分離を用いることで解決する。
能動: Ƣitav (nacat) worāx пeidжako.「(我々は)ページを探す」
中動: Мav worāx rasako пeidж.「ページが探される」