文法:アラインメント
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概要
現代オエル語のアラインメントは、
動詞周り → 対格型
コピュラの人称接辞が自動詞主語・他動詞主語と呼応することから。
名詞周り → 活格的能格型
アラインメントが一部で活格型のような振る舞いをするのでこのようにいう。
このとき、普通は絶対格をとるはずの項(自動詞主語や他動詞目的語)なのに、そのものが影響を受ける意味合いにないため能格 -∅ をとっている、という場合、これを「非受動性 能格」と称する。
となっている。
このように一文のなかに対格型と能格型がほぼ常に共存することから、分裂能格(相などによって対格型と能格型が使い分けられる)に対してこれを「混合能格」型言語と称している。
これは、古来、動詞周りが現代同様の対格型、名詞周りが中立型となっていたところに、〈影響を受ける〉ことを意味する接辞 -bix が生まれ、絶対格接辞へと発展したという経緯による(能格無標という特殊さもこのため)。
概説
参考:-bix = 絶対格, -∅ = 能格, -eca = 因格 である。
大まかに、普通の能格型言語をベースとして、そのものが影響を受けない場合は絶対格接辞 -bix がつかない、と考えると分かりやすい。
詳細
能動態, -bix主語 ※絶対格主語
普通の自動詞文
能動態, -∅主語 ※非受動性能格主語 (活格型的)
主語がその動作による影響を受けない場合(等式文の他、「居る」「暮らす」など)、あるいはその影響をあえて強調しない場合(当然のこととして述べる場合など)に用いる
近年は、-bix の一般化により、特定少数の言い回しを除き、普通に -bix主語 文となることも多くなっている(特に口語)
"特定少数の言い回し":
等式文
etc.
能格 -∅ であるか絶対格接辞 -bix の省略であるかが文法的にも判断しづらい場合がある
能動態, -∅主語 & -bix目的語 ※能格主語 & 絶対格目的語
普通の他動詞文
能動態, -∅主語 & -∅目的語 ※能格主語 & 非受動性能格目的語 (二重斜格型的)
目的語がその動作による影響を受けない場合(「見る」「放置する」など)、あるいはその影響をあえて強調しない場合(当然のこととして述べる場合など)に用いる
近年は、-bix の一般化により、特定少数の言い回しを除き、普通に -∅主語 & -bix目的語 文となることも多くなっている(特に口語)
能格 -∅ であるか絶対格接辞 -bix の省略であるかが文法的にも判断しづらい場合がある
主語と目的語の人称と数が一致しているため明示的に区別したい等の理由で、主語を因格 -eca とする場合がある
中立型アラインメントの時代は何らかの方法で区別していたとみられるが、現代ではそれが失われているため、人称・数が一致していると文法的には区別できなくなってしまうので
主語・目的語のいずれも、通常の自動詞主語 -bix と異なる格であるという点で、三立型的であるといえる
逆受動態
通常の受動態とほぼ同じ
-bix が生まれる以前から既に受動態は存在していた
-∅主語(受動者が影響を受ける場合も、そのニュアンスを態々出す必要がないことから -bix はつかず無標となっている)
動作主を明示しない形でも他者の意志であることを強調したい場合に、能動態 主語のみ よりもよく用いる
「扉がひらいた」よりも「扉がひらかれた」としたほうが行為者がいるニュアンスが出る
普遍的事実を述べるときにもよく用いる
なお、
一般に他動詞主語を強調するときにも因格 -eca が用いられることがあり、これを「他動詞主語強調の因格」と呼ぶことがある。
非受動性能格のうち、影響をあえて強調しない場合のものを特に「明示的当然の非受動性能格」ということがある。
まとめ
オエル語のアラインメントは、
動詞周り → 対格型
名詞周り → 能格型
名詞周り(祖語) → 中立型
名詞周り(一部) → 活格型的
名詞周り(一部) → 二重斜格型的
名詞周り(一部) → 三立型的
と、主要6タイプのアラインメントを全てカバーしている。
なお、「階層型アラインメント」というアラインメントが存在するようなのだが正体不明であり、あわよくばオエル語に取り込むべく現在鋭意調査中である。
追記:階層型アラインメントは名詞の種類により能格型、対格型を取る割合が変化するというものであり、オエル諸語に取り入れたとしても現代文語に取り入れられることは無いであろう。