音MADの合作や企画に対する考え方
そのうちnote書くけどいままとめとるからのんびりまっとって
音MADの合作(音MAD合作)や企画についての(あくまで、個人的な)意見のまとめ。
『紙の音MAD』に寄稿しました
ゴムーンさんの生放送で話しました
必要なのはコンセプトや目的
その合作や企画はなんのために行われるのか? その合作や企画は何を満たすことでゴールになるのか?
もちろん定量的な目標を立ててもいいし、交流が目的ならそれでもいい。想定するターゲットに刺さったら勝ちとか、界隈に影響を与えたら勝ちとか
合作や企画は勝負ではないのだが、複数人で一つのことをやりたいなら、このゴールが共有されている必要がある
会社が出すものだった場合、【ビジネスとしてどう意味があるか】とか【それが会社や社会にどういう効果をもたらすか】とかがある
きっかんはゲームプランナーなので、仕事ではそのゲームを作ることでどう儲かるのか、会社がどういうノウハウを手に入れるのか、社会にどんな影響を与えるのかを論ずる必要がある
すっげー難しい。
会社相手の場合これで何億出してくれみたいな話してるのと一緒だから全然成功しねーし。
そんなに難しいのに、音MAD関係の企画やイベントの主催をやる(やりたがる)人がたくさんいるのは本当に凄まじいことだと思う
主催に特に意識して欲しい(意識していることが望ましいときっかんが考えている)
呼んだ人に「どういうゴールに向かってほしいか」を的確に共有することにリソースを割いてほしい
きっかんが企画に協力する時は、100%このことを気にして質問等する
きっかんのほか、26Kがコンセプトを重視する企画/合作運営として知られる
メンバー内での交流が目的の場合はそれでもよい。
視聴者にわからせる気のない内輪合作なども、当人たちが同じゴールでやっていて満足していれば、合作/企画としては本分を果たしている
成し遂げることが人によって違う状態が問題
意図的にそうする場合もあり、例えばクイズや対戦、ドッキリなど(参加者の)人間のリアルな反応をエンタメにするものはそれに含まれるだろう
音MAD合作は無償であることを美徳とみなす人がいるが、そうであるなら無償であることの弱点も受け入れるべきだ
「受け入れる」というか、「立ち向かう」というか
対立する「お金がかかっているから良いものができる」という主張は、工数をかけることに対するクリーンさについても言える
無許可で素材を引用することの危うさとは別に、信頼だけで人を縛ることの危うさをずっと危惧している
契約ではないのだから、遅刻をして当たり前(という意識で主催や運営をやった方がいい)
そこに「締切を破れない」強制力を持たせるのは難しい
しかし、口約束もまた約束である
招待DMを約束として捉えている人はどれぐらいいるのだろう
もちろんパート担当者として引き受けたら、まあ、頑張ろう
締切りだけでなく、「こういうタスクをお願いしたいです」もまた約束であり、ついでだからと頼むのはまあまあ危険な行為だ
が、音MADの企画はタスクが明確でなく、また専門性が高く、見通しがつかないことが非常に多い
ある程度余地を持たせて誘うべきなのか、誘われる側が覚悟しておくべきなのか
まとめて、無償の企画をよいものにするにはモチベーションが一番重要ではないだろうか
だから、進捗確認などを厳しく突くことには意味がない。ほとんど逆効果
義務にさせた時点で終わりだと思った方がいい
雑談チャンネルが盛り上がるような合作が優れているのはみんなその企画のことを気にしているから
趣味でやってるのに事務連絡しか交わされないのって危機感持ってもいいレベルじゃないか
で、当然、これも「じゃあ雑談を義務にしよう」とするのは間違っている
「運営がモチベーションを上げさせる」というのも暗には義務の押し付けではある
直接押し付けるよりは遥かにマシだが
というわけで、企画に合わせて人を呼ぶわけだが、「モチベーションが持続する人」を優先したい
公募合作はモチベーションがある人しか提出に至らないのである意味理にかなっている
もちろん上のパラグラフで述べた「全員が同じ方向を向く」は極めて難しくなるが、一つの方法
代替不可能性(あなたでないといけない)は、モチベーションにもつながってくる
そもそも、対価とはなんなのだろう
コンセプトやゴールをメンバーに共有し、全員が同じゴールを持つ状態は、ここにもメリットがある
作りたくてやっていて、成果物が対価になったら一番ありがたい
参加するだけで満たされるのであれば、それはそれでアリ(世に出ないといけないからね)
遅刻をすると信頼を失うという状態は【負の対価】として機能している
それでやる人もいるんだけど、趣味でそんな気持ちになって幸せなんだろうか?
成功したスキームに縋れば良いということではない
会社のプロジェクトですらみんな進行に苦労しているが、それはなぜか?
プロジェクトごとに成功するために必要な方法が違う
組織、納期、目標、予算、技術などさまざまな事情で最適解が変わる
当然、音MADの企画やイベントも必勝法があるわけではない
例えば、こち横によるnote「オリメド音MAD合作完全マニュアル」は、非常に具体的なノウハウが書かれていた
具体的なノウハウだけを書いた記事は、それを鵜呑みにしてしまいかねない危うさがある
それでも、これが優れた記事である理由は、「なぜそうするのか」が書かれているから
こちらの方が重要で、解決したい課題に対して初めて動く必要というものが生じる
あまりマインド面の話って聞かないよね。精神論の話なら聞くけど……
音MADの合作や企画がほぼ似たようないくつかの方法で動いていることに結構危機感がある
例えば、「パート埋め」に対して、初期から困るぐらいなら、参加メンバーが揃ってからメドレーを決める/作り直しても良い
上記「オリメド音MAD合作完全マニュアル」にて、「メドレーを大切にしよう」の項目は、確かにオリメドの担当を耳コピMidi提出マシーンとして扱うのはひどいのだが、じゃあそういうパートを作るなということではないだろう(そうは言っていないが、「メドレーを大切にしよう」を結びにしたらそういうニュアンスになるでしょうが)
メドレー制作前に「このパートはバキバキにします」とか「このパートはYTPMVにしちゃいます」とか事前に取り決めをしてからメドレーを作るべき
メドレーを呼ぶときに、どういう方向性の音MADを載せるのかを教えてから呼ぶべき
どうやら「まどマギ合作」での出来事のようだが、ふるのさんは音MADに詳しくなかったという背景もあるらしい。「ココロジョジョル」のようなものを音MADだと捉えていた面があり、楽曲の素地が残される形を前提としていたようだ(なおさら、敬意の不足ではなくメドレー依頼の際の情報伝達不足と見るべきで、パートを要素マシマシにしたのが悪かったのではなく、方向性を伝えていなかったことが問題だったのだろう)
例えば、合作本編より先にメドレーを投稿しても良い
ウマ娘4周年合作がその手法を用いていた
26Kが「合作の蘇生と治療を行った」としており、別の真意もありそう
これ確認した。ここには書けないかも……。
例えば、制作進行にDiscordを使わなくても良い
「なぜDiscordを使うのか」、あなたは説明できますか?
「なぜその方法を選ぶのか」ということはわりと常に考えておいて良いと思うのだが、合作主催・運営はプレイヤーでもあるためなかなか顧みられない
パート作ったり中身考えたりする方が楽しい人が多い気がする
「悩み事聞いてくれる係」が結構役に立ったりする
きっかんが得意とすることの一つに「フラットに意見を聞く」がある
こう書くだけだとシンプルながら難しそうな命題だが、やっていることは「相談に対してメリットデメリットを考えて伝え、自らがどうしたいかは決して伝えない」ことの徹底に近い
音MDM天で進行に奔走していた1時に対してきっかんがひたすらこれをやっていた
自分でやりたいことがないんだよね
きっかんロボ
みなやりたいことがあって参加しているので、「その人のやりたいことは何か」を理解することが重要
ゴールの共有が重要なら、ゴールを知ろうとすることもまた重要なのである
壁打ち聞いてもらうマン呼ぶの?って感じだけど
結構意味あるよ
サーバーに呼ばなくても、守秘義務だけ作って内々で相談するぐらいはやっていいと思う
リークなんてしない方がいいので内部の人間で解決できるならそうした方が良い、が……
内部の人間のことで困ってたら誰に相談すればいいのか?
結果的に完成度が下がるよりは相談をすべきだという見方もある
他人に相談できることは、立派なスキルです
だからこそ、「この人だったら話聞いてくれるな」って人が必要なのかもしれない
技術が全体的に向上するときには、同時に専門性も高まっている
そうすると、「一人で何でもできる」が難しくなる
正確には、スキルツリーの先が界隈全体にアンロックされたせいで、全てを横断するのが不可能になっている
「グループワークをやる意味」として、これらをカバーする合作、という手法を15年前から提案している
完全に役割分担してしまう、というもの
プロフェッショナルがやりたいところだけやったらモチベーションも落ちにくい
実際に、企画が多くなったりプロジェクトが肥大化しているのは、専門性が高くなっているからだと思う
みんな個人作が嫌いなのではないと思う
専門性が高いと見積もりも難しくなるので、約束を守りにくくなる
ただでさえ、創作に一定時間で一定のパフォーマンスを求めることは難しいのに……
趣味の制作は属人性が高すぎるのも相まって、パフォーマンスが安定しないだけでなく代替のメンバーがいない
本来は、人のバッファが設けられなければ期間のバッファはせめて設けるべきなのだが……
noteを書いたら言いたいこと
マインドの話をする
具体的なケースの話をしてもしょうがないし、他の人が無限にしている
見かけだけ高品質な運営にだまされても参加者がかわいそうだしね(凄いこと言うね)
なぜそれをするのかの理由をはっきりさせよう
無事にプロジェクトが進行するために解決しなければならない課題があって、そのための解決策でないといけない
進行って無理やり進捗出させることじゃない、あなたは奴隷をサーバーに加えたんですか?
逆もそうで、どんな約束が交わされているかを考えて参加しよう
プロでも上手くいってないんだよという話をする
会社ですらプロジェクトの進行には苦慮するので素人が完璧にできるわけがない
契約もしていない
ので、そのときそのときの能力でやっていくしかない
不完全なものを上手いこと回していくというのは結構当たり前に起きることでもある
もちろんコンセプトの話をする
コンセプトの話をすることで、初めて「じゃあどうすればいいのか」が可能になる
職業で企画やってる人がすべきだと思うんだよなこういう話を
#きっかん思想