「○○思考」という本が多すぎて、思考が追いつかない問題を考える
トレンドは右脳系、だが
個人的には、デザイン思考が流行り始めてから、もうロジックだけは古い、ビジネスマンにもクリエイティブを、という文脈で右脳系ブームが起きているように思う。 一方で、ビジネスにおいてロジカルシンキングが重要なことは変わらないし、新卒が右脳系だけやり始めるみたいな流れも危険なように感じる(自分は古い人間かもしれないが)。
まずはちゃんと論理的に考える作法を身につけないと、その限界や、自分がその先成長するために足りていないスキルを「論理的に思考」することができない。あくまでも、ロジカルに考えるのが先にあり、基礎に敷いた上で、右脳系思考法をインストールしていった方が良いのではないだろうか。
左脳&メソッド系が一番読みやすく、あるパターンにおいてはすぐ効果を発揮する物が多く、右脳&マインド系が一番抽象的でどう自分の仕事に活かすのこれ?となってしまうものが多いように思う。ただその「何じゃこりゃ?」の飛躍が大きいほど、それは過去の自分にはなかった「思考」のまなざしを獲得したということになるので、それはポジティブに受け止めるべきだ。予想通りの内容の思考法の本を読んでも、新しい学びは少ない。
>思考力というか咀嚼力
{数字} + 思考カテゴリの書籍は、○○秒、○○個の〜という数字を定量的に提示するので、即応用が効きやすい思考法が多いように見えるが、その他の思考法は多かれ少なかれ、問題解決に活かせる〜という触れ込みが付いていても、「態度や考え方」を提供するにとどまるものもあるだろう(そのせいで、即使える本ではなかったなんてレビューが付いているものもある)。
これだけ「○○思考」が世に溢れているということは、読んだ瞬間に万物万事全ての悩みを即時解決してくれる思考法は無いと諦めて、ワンステップ、読んだものをどう自分の仕事に活かすかを考える、読書時間+咀嚼時間ありきで本に触れた方がよいのかもしれない。それは作者の思考法→自分の思考法に調整する時間。 結論としては、一番聞いたこともない、一番予想できない、一番自分から遠い本を個人的には読むことにしたい。読める本、読書に使える時間も有限なので、○○なこと書いてあるんだろうなぁと想像が可能な本は、枝葉は異なるにしろ、その方向性の視座はもう持っていると判断して、一番自分にとってクレイジーな本を手に取るようにしたいと思う。