『人間の条件』
英語タイトル:The Human Condition
これが初出(1958年)
ドイツ語タイトル:Vita activa oder vom tätigen Leben
Vita activaはラテン語で、oder vom tätigen Lebenはドイツ語
どちらも直訳は「活動的生活」
〝人間の条件〟というよりかは、
Human Conditionや人間の被制約性について書かれている
条件といえば、まあ条件なのだけど…
困った、小泉進次郎構文みたいになる
1973年の最初の邦訳出版当時は、日本語の条件はどんなニュアンスを帯びて日本社会で使われていたのだろう?
具体的には、公的領域と私的領域の話や、アーレントの3つの活動の話など
アーレントの3つの活動のうち、
「行為(活動)がいちばん大事なんだ!」みたいな解説を見かけますが
読んだ限りそのような印象は受けませんでしたterang.icon
大事であるとは書いている気がしますが、そこまで持ち上げている感じがしません
労働はちょっとサゲてたような気がしなくもないけれど、それはマルクスの一部をおそらく批判してのこと
アーレントのいう労働は、動物としての円環を成すもので、その出生によって複数性が構成され他者との対話の可能性が開かれる。全体主義批判でもあるのだろう。
ハイデガーの死への先駆と対比的
アーレント的には、(モッブはいるのだとしても)すべての他者は世人ではない
その意味で行為(他者との対話)は大切
行為はその場で消えて残りませんが、制作は世界性を構成します
生命の循環とは別の耐久性のある工作物が、行為(他者との対話)の最中の複数性を維持します
机とin-betweenのメタファがとても印象的terang.icon
テーブルがないと、旧エヴァの最終回みたいになる。自他の境目(ATフィールド)が消えて、パシャンとみんなLCLに。
『人間の条件』は、日本語訳が3つ