deliberat
-e
-ion
英文で読む際は、文脈によってどちらの意味が強いか考える必要がある
deliberativeに「熟議」の訳語をあてたのは井上達夫 「議会は、個々人の利益を代表する場なのではなく、deliberationするための場」
deliberationする人は代議士に限らない。市民のあいだで熟議を促進することを通して、民主主義の質を高めようとする立場が熟議民主主義 deliberation が民主主義の正統性に貢献し、deliberation が民主的決定の集団的拘束力の中心的要素 G. A. Cohen(ジェラルド・コーエン)
Seyla Benhabib(セイラ・ベンハビブ)
Gutmann and Thompson(ガットマンとトンプソン)
John Dryzek(ジョン・ドライゼク)
熟議民主主義における「熟議」とは、理由(reason)を検討するプロセスのこと
話し合うとき、単に声量の大きい者や社会的ステータスの高い者などの意見だけが通る場となり、そうでない者が本意ではないながら意見を変えざるを得ないことになる恐れがある。
だから熟議では「理由」が重要視される。
その「理由」とは、価値観の異なるどの人にとっても、「受け容れることが可能だ」と想定される内容でなければならない。
また、他者から理由を聞いたとき、熟議の参加者には自分の意見を変更する可能性が残されていることを、熟議の条件に加えることがある。
「理性(reason)を重視する民主主義」と、熟議民主主義がしばしばいわれるのはこのため。 理性的(reasonable)であることを目指すのが deliberation。
批判する向きもある。
理性的でないコミュニケーションは排除されてよいのか?という観点。
マイノリティに属する者は、他の者と同様に理性的でいられるのか?という観点。
理性的に話し合えば合意(コンセンサス)できるのか?という観点。
対立が表面化するだけなのではないか?
熟議は合意を作るためではなく、common ground(共通基盤, 共通認識)を作るために行う、という再反論
公共圏は暗黙に国民国家を前提するのでは?という観点。
国家外の市民交流の場 arenas of citizen interactions outside of the state
単に「じっくり話し合う」程度の意味で、この熟議が昨今また使われがちだと思います。