科学者たちが語る食欲
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【目次より】
2章 栄養――動物は計算なしで「ベスト・バランス」を食べる 3章 栄養幾何学――「グラフ」にしたらとんでもないことがわかった
4章 食欲――これは「底なし」の欲望か?
5章 例外――人間は「動物」と違う生物か?
6章 仮説――人間もバッタも「タンパク質」ファースト
7章 タンパク質――「個体の長寿」か「次世代の繁殖」かの分かれ目 8章 人間に近い種――長寿の仕組みは「イースト細胞」も「ヒト」も同じ 9章 食環境――科学者が、命を賭して現実世界を観た結果
10章 食環境2――それはもう、「あるべき世界」とあまりに異なる
11章 現代――「人間」にとって破滅的な食環境
12章 金銭欲――人間に特有の欲
13章 肥満――「胎児」のときに運命が決まっている可能性 14章 教訓――「正しい知識」で食べる
人間以外の生物を対象に研究した結果、食品に含まれる「栄養素」でより好みをすることが分かってきた
タンパク質が不足している摂取群ではタンパク質を多く含む食品を選び、タンパク質過多の摂取群では炭水化物中心の食品を選ぶ
タンパク質を多く摂取するほど、老化が進み、寿命が短くなる傾向にあった 高タンパク質の摂取群ほど、繁殖率は高くなる代わりに寿命が短くなるトレードオフ
自分はもう繁殖は満たせたので、後は長寿のためにタンパク質摂取を少なめにしようと思ったkidooom.icon
糖質制限ダイエットは、タンパク質量と率が上がるから老化を促進すると思われるので絶対にやらない 寿命が短くなる = 成長が速い
摂取するタンパク質量が少ないと、食欲が満たされず、食べすぎてしまう傾向にある
これが低タンパク質食の罠
肥満は様々な病気や体調不良を誘引し、結果的に寿命も短くしてしまう タンパク質を一切含まれない食事は、いくらでも食べてしまう恐れがある
デザートは別腹
自然状態では、「タンパク質比率15%」になる
そうなるように食事をより好みする
資本主義社会におけるビジネスでは、消費者の健康よりも売上が優先される 12章 金銭欲――人間に特有の欲
この章で中心に展開されている
いくらでも食べてしまう食品を作ることが企業のインセンティブになっている
美味しい食事をたくさん食べる短期的な幸せは、寿命の低下や健康を阻害する長期的な犠牲をうんでいる
りんご4個を食べるのは難しいが、りんご4個分のリンゴジュースを飲むのは容易い
食物繊維が取り除かれているから
人間の食欲は「5種類」仮説 p64~
タンパク質の食べ過ぎは体に悪い
これまでの食事制限の実験では、結果的にタンパク質摂取も減っていたので老化が遅れていたのであろうという推察
著者たちが行ったショウジョウバエの実験では、寿命は総摂取カロリーとは関係がなく、タンパク質と炭水化物の摂取比率に相関していた p133~
餌のタンパク質比率が高まるにつれ、ハエの寿命が徐々に短くなっていたことがわかる。
そしてハエは、高タンパク/低炭水化物食で最も早く死んだ。
ただし、繁殖率は高タンパク質であるほど高まる結果が出た
産卵数が最も多かったのは、ハエが寿命を最も延ばしたであろう比率よりも高い比率でタンパク質を摂取したときだ。
人に近い哺乳類での実験が必要とされたため、著者たちは6トンの餌と5年の時間をかけてマウスで実験をした
その結果、マウスにおいてもハエと同様に「低タンパク質/高炭水化物」食が寿命を延ばした
重要なのは、「低タンパク質/高炭水化物」の組み合わせ p144
低タンパク質が最長寿命を促進するには、高炭水化物と組み合わせる必要があった。
また、低タンパク質/高脂肪食は、低タンパク質/高炭水化物のような長寿のメリットをもたらさないことも明らかになった。
高炭水化物食ではなく、高脂肪食にすると長寿にならない。高炭水化物比率が大事 低タンパク質/高炭水化物にすると、テロメアが長くなる 食糧が豊富で十分なタンパク質が得られるときには、長寿経路は停止し、成長・繁殖経路が作動する。
低タンパク質/高炭水化物のマウスは、多くのカロリーを摂取するので肥満がちになるが、長寿になっている
本書を読んで、ここもインパクトが大きかったkidooom.icon
低タンパク質/高脂肪食のマウスは同様に肥満がちで、短命だった
この違いには気をつけた方がいい
低タンパク質/高炭水化物食のマウスは、低タンパク質/高脂肪食のマウスに比べ、腸内により健康的な微生物叢をもっていた。
超・長寿地域の人の食パターン
沖縄の長寿食 p159
サツマイモと葉物野菜を主体とし、少量の魚と赤身肉を組み合わせた伝統的な沖縄食は、タンパク質比率がわざか9%(食糧難の地域を除けば世界最低水準)、炭水化物が85%、そして脂肪がわずか6%だ。
この割合を目指したいkidooom.icon
ただし、食物繊維をたっぷり含む食べ物でカロリーを抑えることが大事
p256
低タンパク質・低繊維・低価格の三拍子揃った食品は、ついつい食べすぎてしまう。
年齢に応じて、タンパク質比率を変えたほうが良い p300
40歳から65歳くらいまでの中年期には、タンパク質が少なめ(10%から15%)で、炭水化物(ただし健康的な炭水化物)が多めの、健康的な脂肪をほどほどに含む食事を摂れば、健康を促し、老化のプロセスを遅らせることができる。
だがその後、65歳以降の老後になれば、もう一度タンパク質をーー中年時代よりもーー多めに食事に含める必要が生じる。それは、体がタンパク質を効率的に保持できなくなるからである。