インフレは、国民を麻痺させるアヘン
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週給７５ドルだった事務員が１２０ドルもらうようになったら、実際には週給７５ドルの頃より物価が２倍になっていても、暮らしは楽になったと思うにちがいない。もちろんこの事務員は、生活費が高くなったことに気づいてはいる。だが賃金が上がったにもかかわらず、物価高のせいで購買力が減ったというからくりを完全には理解していない。もし物価が変わらず、賃金が減らされて購買力がその分だけ減ったのなら、自分の身に何が起きたのかを完璧に理解できただろう。インフレは、自己暗示であり、催眠術であり、手術の痛みを感じなくさせる麻酔薬である。インフレは、国民を麻痺させるアヘンであるとも言える。 給料アップは当たり前、少しうれしい、まあまあ嬉しい
給料ダウンはありえない、ひどく傷つけられた、もうこんな会社で働きたくない
だから、インフレを起こすことで実質賃金を下げる。これならば痛みを感じにくい、気づかれにくい。
賃金を下げることがほぼできないこの世界では、ずっと上がり続けてないと実質下がっているようなもの。
給料アップという餌に過度に騙されてはいけない・・・
インフレし続ける世界で立ち止まっていると死んでしまう