『シャルル・フーリエの新世界』
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単行本 – 2024/7/16
基本情報
序文 福島知己
フーリエの理論の方向性
時期によって方向性は違えど基本的要素は生涯を通じて変わらない。
理論の前提としてあまり自覚せずに用いている心的な構え
1、文明世界と調和世界の両者を鏡にうつしたかのような対称性におく構図
フーリエの歴史観(エデン→未開期→族長期→野蛮期→文明期(現在)→保証期→ソシエテール期(全般的幸福の実現))と、文明世界に対しての調和世界を構想することがある。調和世界として文明の欠陥の解消を描く。
2、森羅万象を網、属、種によって理解しようとする分類学的思考
序列や階梯の説明は、自然史研究の分類学的な方法が念頭に置かれている。
3、万事を上昇―絶頂―下降という三角形の構図において安定させようとする志向
分類された各項を一定の配列に置くのが系列の思考。
森羅万象が最も安定するのは、この三角形の運動の流れのうちに配置することである。
フーリエの理論(扱うトピック)
人間存在の理論
情念の分類学と、系列の構成
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5、誘引的労働論
分類と系列の思考によって、階級間に格差があるということそのものが階級間の融和につながるという構想
文化的な側面も階級として語っており、マルクス的なものではない。 7、1600人規模の共同体を世界中に簇生させることによって情念の発展を実現しようとする構想
日常的に情念を多様に育てるための共同体の構想。
8、アナロジー論を貫徹させた宇宙論
情念の仕組みと自然の仕組みの一致について。
第Ⅰ部 フーリエとは誰か
嗜好の洗練による「文明」から「調和」へのパッサージュ――奢侈をめぐるフーリエと経済学的知……篠原洋治 マンデヴィルの奢侈による私欲の肯定、経済学へというイギリス的流れと、それに対して経済も自然の秩序に包摂されているために、銀源の自由の行使による秩序を考えた。 フーリエはこのフランス的な思想背景の中で生まれた。
経済学は情念の「観察」と「分析」が足りないと批判。
奢侈への欲求を、情念引力の法則に則って統御し、「文明」の4倍の生産力を持つ産業共同体ファランジュを作り上げようとした。 目的
p35 フーリエとって重要なのは、生産物の洗練とともに、労働の場である産業において奢侈、洗練を実現することである。「産業が不愉快なものであるかぎり」(VI, 35/六一)、ほんとうの奢侈は実現不可能である。
既存の労働の捉え方。
労働は負の効用であるがゆえに価値を持ち、根源的貨幣となる。(アダム・スミス) 労働することが、近代市民の条件であり義務となった(ヘーゲル) 市場における各人の労働の義務の交換は、資本家に有利に働く。市場経済は賃金を媒介に労働者の欲望実現を遅延させ、労働へのインセンティブを生み出して生産を進めるシステムである。(マルクス) ファランジュの構成
1620人の様々な性格をもつ老若男女で構成。
豪奢な集合住宅に住み、料理などの家事道道が共同化され、屋内ないし田園で仕事をする。
情念を解放する系列に労働置くことで楽しくする。
それぞれの好みにあった仕事を行う。
第三基本情念が産業の編成する情念であり最も重要な役割。
感覚的陶酔と魂の歓喜が結びつけられることによる「盲目的な熱狂」
この情念の効果でさまざまな対象をめぐって同じ嗜好を持った人々の「複合集団」が形成される。
複合は各人が本当に好む職務に専念する場合に満たされる。
嗜好の洗練が実現する。
他者を出し抜こうという集団同士の競争的嫉妬心の情念を解放する。
この解放のために、産業系列は「微妙な差できわめて似通った仕事の階梯」を形成しなければならない。
労働のインセンティブが利益でなく、それ自体になる。
対抗による切磋琢磨が洗練された成果物を促す
密謀による対抗心の和らげ。
人々が集団から集団に移動することにより達成される。
労働や恋愛において対象的な趣味を持つことを推奨する。 p39 各人は「一時間半から長くても二時間のきわめて短時間の活動に従事することによって、誰もが一日のうちに七ないし八種類の魅力ある労働にたずさわり、次の日にはまた変化を与え前日とは違った集団に赴くことができる」(VI, 67/一〇九)。
「取引所」
移り気を満足するために仕事の配分をする機関。
自分たちの労働と快楽の集まりについて協議し、最も刺激的な遊び場であり、「情念的自主管理」の中枢機関。
文明の市場:見えざる手において社会的分業と人々の相互依存関係を調整するシステム/調和の取引所:「情念引力」の働きによって自生的秩序が生み出される場。
生産、労働が快楽と結びつくことで、資源の希少性を基礎とする経済学は成立せず、ポスト希少性的な世界に進む。 膨大な生産物を消費するために「調和」では個人の好みや体質にある洗練された料理術の考案。 情念引力の相互作用による愛、奢侈を平等に保障したい。
人間は普遍的傾向として多婚を望んでいる。
うーむ
男女一組の恋愛の行き着く先はエゴイズムであり、集団的な恋愛のいとなみを基礎におくことで「愛」をより広い社会領野で飛翔させる必要がある。
奇癖と調和
p48 フーリエは、『四運動の理論』ですでに次のようにいっていた。「文明の重圧は女の上にのしかかっている。女こそが文明を攻撃すべきである」(I, 149-150/上二四七)。彼女らを、結婚制度による隷属状態から解放しなければならない。その際、「羅針盤」になるのは「女性の快楽」である。「恋愛の自由は、われわれの悪徳と称するものをほとんど美徳に転化させ、またわれわれの親切と称するものをほとんど悪徳に転化させる」(I, 125/上二一〇)。「女性の快楽」の保証は「社会的運動」を変化させ、来るべき時代「調和」へとわれわれを導く。
ファランジュも普通に相互扶助のシステムっぽいもんな。 社会的運動の革新のために、情念引力の計算に基づいた家庭的なものの再配置が必要であると考えた。
アナロジー論と自然的平衡錘の理論――『産業の新世界』序文の一草稿の検討……福島知己
草稿と弟子による改変についての考察
快楽が大量であれば過剰になることはなく、程よく成長していく。 フーリエは快楽の多様性も説いているから、半自動的に多様な快楽に触れるシステムが必要なのかも
低強度の快楽の持続ではなく、高強度の快楽のスイッチング
フランス史におけるアソシエーションの思想について
サン=シモン主義のアソシエーション
サン=シモンの弟子がアソシエーションを教義の中心に据えていった。(1825〜1831頃)
「消費のニーズと生産資源の全体的な把握」に基づく産業の再組織化を目指す。
その原理としてのアソシエーション。結社である以上に、暴力や対立や競争に取って代わる秩序原理
所有権の存在が、所有者と生産者の対立の根源である。 p80 所有権とはわれわれの見解によれば次のような権利だ。つまり賃貸によって労働者に労働手段を分配し、所有者の利益のために、利息、小作料、賃貸料といった名目で、労働によって作り出された生産物の多少とも重要な一部を、資本の貸し出し以外にはその生産に貢献することなく天引きする権利である。 銀行の拡充を通じた金利水準の引き下げ。
相続の規制、相続税の増税。
アソシエーションを実現するのは円滑なコミュニケーションで、それは「法」以上にアソシエーションの実現に効果的である。
世界中の広域な交通網の整備が、平和と経済的繁栄をもたらす。
こちらの方向はアソシエーションと袂を分かって行き、エンジニアたちに影響を与える。 フーリエのアソシエーション論
デビュー作の『四運動の理論』においてもアソシエーションを社会変革のキーワードとして頻用。 時代的にも超早い。
そしてアソシエーションが流行り始めると、勘違いされないために警戒して使わなくなっている。
1、家政につきものの浪費を避けるべくなされる、大規模のアソシエーションによる消費の合理化。 2、富の分配様式よりもむしろその生産様式の改革への専念。 5、大規模な生活様式だけ採用すること。
7、過度の専門家による単調さの強制のため、仕事を多様化して交替させること。
8、大規模で自律的かつ自足的な(あるいは、同種のアソシエーションとの直接の交換によって不足する生産物を得る)アソシエーションの設立によって、あらゆる仲介者を排除すること。
産業の自由化によって必要ない競争に人員が割かれる。
競争体制において賃労働は常に削減の圧力にさらされている。
自主的な協働構成員として、配当金として報酬を得られるようにするべき。 「全面的」アソシエーション
経済的な効率性に加えて、自分の得意なこと、好んでいることをすることができる。
新しいアソシエーションによって情念を変えることはできないが、新たな活用の向きを提供する。
情念の結びつけ方を変える。
p90 結びつけ(associer)の技とは、情念系列からなるファランジュという大きなまとまりを形成し、完全な協和のうちで発展させるすべを知ることにほかならない。そこで情念系列は七つの産業職務(八頁[邦訳二九頁])と快楽に割り当てられており、完全に自由で、引力[魅力]によってのみ駆動される。(NMIS 62/九二)
道徳が人に教えるのは、自分自身との戦争に明け暮れ、自己の情念をはねつけ、抑圧し、見下すこと。
道徳にようにレールを引くのではなく、多様な要素に絡み合わせて、結果として結びつくというようなイメージをどうやって実現するのか。
巨大なアソシエーションの規模で考える。
大規模に組織化することで経済的な効率性が上がる。
3、4の家族の結びつきがうまくいかないからといって、2、300の家族からなる集まりがうまく行かないわけではない。
細かく分類することで、組み合わせの数を増やして行く試み。
小さな差異が多様に結びついていることが秩序に向かっていくのであり、多様性が乏しい結びつきは貧困である。
サン=シモン主義とフーリエから見落とされてきたもの
アソシエーションを実体化、有機体化に向かわせない発想。
第Ⅱ部 思想の諸相
社会秩序と建築の関係。
共同体をうまく動かすための建築・都市設計の結実としてのファランステール構想。その変遷。 フーリエは建築志向の社会改革主義者。
ファランステール
鍵概念
回路式通路と連絡通路
循環、流れ、移行、回遊
物見台、テレグラフ、伝書鳩や、住民同士の交流関係。
「国土における循環」と結びつく
構想
制度、その制度に統べられる共同体の具体的なあり方、共同体構成員が身を置く建築物の構造の三要素を連関させようとしている。
系列房
同じ情念系列に属するメンバーたちが集会に用いる部屋、「情念系列の交流のために配列される広間や部屋からなるまとまり」
公会堂のように広がりすぎず、隣接する小部屋もあり、分団の集会なども開ける。
噛合累進
富裕・中間・貧困階級の区分を残しつつ、位置的な分断を起こさないようにするために、部屋の位置と室料を互い違いに組み合わせる。 連結通路
富裕層にとって魅力的で、回廊を歩くのが楽しみになる。
ウロウロしてるうちに、工房や家畜小屋を踏破して、分業化された仕事に参加の意を決することになる。
回廊式通路
特に重視。
パサージュの住居化。
内部/外部が曖昧で多孔質の空間であることから、コミュニケーションを可能にする装置となっている。
実際にはパリのパサージュ郡が影響を与えたというのは時間的に不正確であるが、ベンヤミンの指摘は重要。
図面の変遷
『産業の新世界』
初版:フーリエ自身のデッサン、透視図。フーリエの意図を直接示し、後のプロトタイプにもなる。
弟子たちがフーリエに要求したのは、実際的な指針であり、共同体建設の青写真。
弟子たちの希望を叶えようとするなかでの訂正が「福音書を例にとった確証」で加えられる。
建造物の優先順位、修正点等。
第二版
弟子たちによる改訂。フーリエ自身の記述がかなりの部分削除された。
初版よりも細部が決定され、書き込まれている。
上部の都市部、居住部が重点的に扱われる。配分の図示に重点を置く。
弟子コンシデランによる具現化
建築を学んでいた弟子。
p122 建築とは、中軸となる芸術であり、その他の諸芸術を、ひいては社会一般を総括する芸術である。――建築が歴史を記述する。
フーリエの平面図から導き出した透視図。
建築物を人体との具体的な空間内での人々の交通を体内循環のアナロジーで語る発想が追加。
ガラスなどの新しい素材も導入。
1840年代の乱立
フーリエ主義運動が広範な支持者を獲得し、挿絵がさまざま生み出された。
サン=シモン主義との連関で、鉄道などの要素も追加。
風景画に近づく。構造が薄れる。
ロラン・バルトはファランステールの性格を「交流」とそれをもたらす「循環」に求めている。 コンフィチュール/コンポートあるいは「調和世界」のパン――フーリエにおける子どもと食の問題……橋本周子 19世紀はじめの数十年は、フランス革命の副産物として「美食」という生活様式が新たに加わった。 フーリエも美食文学の祖たちと並べられる事があるが、正史としてはあまり扱われない。
「恋愛に匹敵する情念などほかにあるだろうか」と述べており、恋愛を最上位の情念としているが、万能とは考えていない。
恋愛が機能しない幼い子供においては、食べることが最上位の情念となる。
p138 なにより万人に当てはまる快楽とは食の快楽である。欲求という面からみた栄養源の快楽といってもよい。つまり、この快楽は人間の最初にして最後の享楽、誕生から臨終へ至るまでの人間の享楽の対象なのだ。
グルマンディーズ
キリスト教の規範において、厳しく諌められてきた。18世紀後半以降に洗練された食への愛情の意味になるが、それまでは、動物的な卑しい食行為という意味を持っていた。
ブリヤ=サヴァランは「社交」の要素を強調することで、肯定化の準備をする。
社会的習慣として、ひとつの生活術として提示する。
フーリエも肯定するが、人間は食べることを宿命とする神の創造物であるので、否定も再定義もせずにまっすぐ肯定。
富者にも引けを取らない、生きる力に満ち溢れた子どもにおいて食の情念が強烈に作用している。
特に料理は「無為な時間のない恒久労働であり、産業引力をうみだす嚆矢となる労働、生産と消費に繋がる労働、密謀精神を保持する適正をこのうえなくそなえた労働」と定義されている。
甘い食べ物
子どもは甘い食べ物をより欲する。
フェヌロンの「お菓子の国」から中世以来の「宝の国」の系譜につながる作品群。 フェヌロンは子どもへのわかりやすい教訓のための物語。
「宝の国」は貧窮と労働の苦労にあえぐ庶民たちの現実世界への異議申し立て。
フーリエの甘いユートピアもこの系譜に並ぶものとして見れる。
フーリエにおいて子どもたちは怠け者ではない。むしろ勤勉である。
貧困な家庭でもコンフィチュールを好きな子どもにたらふく食わせる。
コンフィチュールに対する情念を見出され仕事につく。
p153 たったひとりの貧しい少女のうちにも、必ずや産業に資する大きな情念が隠れているのであるから、少女とコンフィチュールという、些細なテーマを見逃さないようにというフーリエの教訓とも読み取れる。
果物と野菜の人工的保存処置。これは非常に広がりをもつ誘引的な産業だが、フランスではたいへんおろそかにされている。ドイツとはちがって、フランスでは、サヤインゲンを保存するすべさえ知られていない。[⋯]この系列がたいへん貴重なのは、金払いの良い好奇の士に珍味佳肴[を供する]ためでもあるし、庶民[に供する]ためでもある。庶民がファランジュ内で貴重な果実と野菜を、中心的な諸都市の大貴族でも食べられないような時節に、食べられるようになる。(『産業の新世界』201−202)
食べること、作ること、保存することという多様な作業に向かわせることができる。
家族ではなく、幼い子どもたちの世話は、本能的にそれを好む子守りに任される。
歩いたり動けるようになると、様々な工房を見て回るよう誘われる。
これによって本能と結びつけられた労働に携わるようになる。
食欲によって、産業を情念系列としてつなげていくことが必要である。
消費だけに結びつけられるのではなく、生産にも結びつかなければいけない。
密謀,あるいは産業のとばくち――フーリエからだいぶ離れて……森元庸介 産業と密謀情念の関係について
p217 密謀情念ないし党派精神とは、たくらみの性癖であり、野心家、宮廷人、提携した団体、商業者、艶聞家連中のもとで大変熱烈である。[⋯]
密謀精神ならではの特徴は、つねに計算を情念に混ぜこむということである。策謀家にとってはすべてが計算である。たとえひとつの動作、ひとつの目配せにすぎなくても、すべては内省されつつ、ただし迅速になされている。(引用)
道徳にとって悪とされる密謀情念の有用性
p 218 第10情念 密謀情念 たくらみ情念 食い違い情念。
これは動機、行動、目的というミニマルな系をつくっている。
食い違いが類似した集団間の対抗心を駆り立てて、産業を進めていくポジティブな要素となる。
フーリエ以外の密謀概念の扱われ方
作為によって情念を隠しても漏れ出す。
無知や薄弱に起因する罪よりも作為が悪いとされている。
p224 罰が重くなるのは、罪が重いからこそにほかならない。それゆえ、作為、ないし確かな悪意による罪は重いのである。
第Ⅲ部 フーリエはどう読まれたか
政治的なものの感覚的革命としてのファランステールの爆発的拡大について……フロラン・ペリエ 2018年ZADの占拠者たちは生態系を破壊しかねない新空港建設に反対する闘いに勝利した。 ファランステールの「爆発的」拡大というモチーフについて。
フーリエの影響
p241 ソシエテール的ユートピアのもっとも注目すべき特徴の一つは、後の時代にかなり流布した人間による自然の搾取の観念がフーリエには無縁であるという事実である。技術はフーリエにとってむしろ、自然の火薬に点火する火花のようなものである。おそらくそれこそは、ファランステールが「爆発によって」伝搬するという彼の風変わりな考え方の鍵であろう。
アガンベン「フーリエがあえて越えようとしなかった、あるいは超えることができなかった極限にまで押し進められた一種のフーリエ主義」 ドゥルーズの「陰謀」定義:「他なる種類の特異点からなる共同体であり、規則化されることがなく、新たな連結のうちに入りこみ、この意味において革命的であるだろう」 クロソウスキーは、フーリエを引き合いに出しながら産業の諸条件に基づいて実験的な精神・感覚を持つ若い世代は、ユートピアから離れることも、逆に現前させることもできるということを示唆。
フーリエにおいて、調和世界はまず異なる社会のモデルが小規模に散種されることにより始まる。 喜びに満ちた革命の伝染。火種から火薬へ。
火種としての出来事の創出が、情念引力によって熱狂と欲望を媒介に既存の秩序を混乱させ、不意打ちを食らわせる。 欲望と熱狂から社会を見た通史欲しい。
そのためには、火花と導火線が重要で、その後の制度設計は自動的に情念引力によって最適化されていくだろうという見方。
ファランステールにも静的イメージは存在しない。
植物の散種、工業よりも農業の優先。
雑草の爆発的な繁茂
【幕間】
第Ⅳ部 フーリエをどう読むか
詩「未来はオーレンカのもの」をめぐって……阿部日奈子 フーリエの未来の肉体としての反古墳――いや、墓とは?……中村恭子