ASDの仕組みが分かったかもしれない話
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学習障害(LD)というものがある。
読字障害
書字障害
算数障害
他の学習には問題ないのに、特定の領域だけ学習が苦手という子が一定数いるそうなのだ。
でも神経科学的に熱心に研究されてないらしい。
ひょっとしたらASDの原因を特定する足掛かりになるかもしれないのに。
今日はそんな話。
背景
実は今までASDをめぐる神経科学的な説明はなかった。脳波を測っても脳構造をみてもASDに共通した特徴といったものはなかった。それどころかASDの脳は定型発達児より多様なことが知られていた。
シナプス仮説を裏付ける発見〜近年の研究から〜
最近になってASDの脳内では定型発達児よりシナプス密度が小さいことが明らかになった。これは多様性に満ちたASDの脳内の構造としては異例の発見だ。なんでも特殊な測定機によって測ることによってこれが明らかにされた。
神経細胞の仕組みについては脳科学つまみ食い日記2〜神経細胞ってなんだ〜に書いた。
ASDの脳内ではシナプスの数が定型発達児より少ないことがわかっている。
しかも自閉度と相関が見られたのだそうだ。
すなわち重い自閉症の人は人よりシナプスの数がより少ないというわけ。
これはシナプス仮説を裏付ける有力な証拠だ。
これは見方を変えればASDだって一種の学習障害なんじゃないかってこと。
脳の学習が何処で行われているかといえば主にシナプスの可塑性が担っている。
気分を変える薬にシナプスに働きかけるのが多いのもシナプスの重要性を裏付けている。
ところで私は気分の薬にドグマチール(スルピリド)ってのを処方されてるんですが結構効きますよ。
さて私は先に
ASDの脳内ではシナプスの数が定型発達児より少ないことがわかっている。
といったことを述べた。
これが意味するのはASDだって広い意味での学習障害なんじゃないかってこと。
なぜなら脳の学習はシナプスが担ってるわけだから。
ASDの脳内ではシナプスの数が定型発達児より少ないことがわかっている。
について深堀してみたい。
ASDには知能の遅れがみられる古典的自閉症と、知能には遅れが見られない高機能自閉症がいるのだった。
まず最初に僕はシナプスの減少と知能が相関してるのではと考えた。
結論を述べると、そうとも言える。でも、自閉度とも相関していることがわかっている。
これは高機能自閉症であっても、自閉度が強ければよりシナプスの減少が見られることを意味する。
脳のどの部分でシナプスの減少が見られるの?
ASDの他に脆弱X症候群の患者にもシナプスの数に異常が見られることがわかっている