人工妊娠中絶についてのトムソンの議論
人工妊娠中絶についての Judith Thomson の議論
1971 年、生命倫理学者ジュディス・トムソン (Judith Thomson) 「A Defense of Abortion」 ((人工) 妊娠中絶の擁護)
ヴァイオリニストの比喩
胎児が受胎の瞬間から人だとすると、生命への権利 (a right to life) がある
実際には胎児は受胎の瞬間から人というわけではない
レイプなどによる妊娠での中絶は擁護されるべきものである一方で、妊娠する可能性を考慮して同意のうえでセックスをした結果として妊娠した場合の中絶に対しては批判的っぽい?
トムソンの議論に対して、井上達夫は次のように評価
胎児の生命権の問題を棚上げして、単に女性のプライバシー権・自己決定権により堕胎を正当化する立場に比べて、慎重かつ入念
重要な含蓄を含む
1. 線引き問題は必ずしも決定的ではない
2. 胎児を母の所有物とみなす発想は問題だが、逆に胎児を母とは別個独立の主体として扱うことが当然に胎児の立場を強くするという思い込みも反省すべきもの
参考文献
人工妊娠中絶における女性の権利の研究