リバタリアニズム
リバタリアニズムの考え方とは
アメリカの哲学者であるロバート・ノージック (Robert Nozick) は、その著書 『アナーキー・国家・ユートピア』 などにおいて、古典的な夜警国家 (ノージックはこれを最小国家と呼ぶ) こそが正義にかなうとの立場から、ロールズの議論の平等主義的・介入主義的な側面は、個人の自由を不当に侵害するもので、本当の平等も実現できないとして痛烈に批判
ロールズの議論はロールズの無知のヴェールと格差是正原理を参照
ノージックのいう正義とは、人々が自分のものをどう処分するかを自ら自由に決定できるよう、自己の身体の自由、自己の労働の産物やその代価としての財産を保有する権利を尊重することであるという考え
これに基づき、「権原理論」が唱えられた
権原理論によれば、富裕者の保有資源の貧困層への移転は、富裕者が自発的に行うものでなくてはならず、国家が再分配(社会保障など)を行うことは、個人の財産権の不当な侵害にほかならないと考える
そして、最小国家以上の機能を備えた国家は「拡張国家」であり、それは正義の観点から正当化されないことになる
参考文献
平成 24 年版厚生労働白書 -社会保障を考える-