ムージル
ムージルは20世紀のドイツ語圏における最重要作家の一人であり、代表作に『特性のない男』、『若いテルレスの惑い』、『三人の女』などがあります。『特性のない男』は第一次大戦前後のオーストリアの世相を描いた未完の大作で、20世紀文学を代表する作品の一つに数えられています。プルーストの『失われたときを求めて』、ジョイスの『ユリシーズ』と並び称される長編小説です。 ムージルは「文学によってしか表しえないもの」を表そうとした作家で、他者性、あるいは一回しか存在しないものをどのように表現しようとしたか、イメージや比喩の扱いをとおして、非言語的なものを言語によってどのように語ろうとしたかに取り組みました。 ムージルの作品の訳業には、筑摩書房版の世界文学全集『リルケ ムージル』(68)、岩波文庫版『愛の完成 静かなヴェロニカの誘惑』(87)、松籟社版ムージル著作集第7巻(95)などがあります。
「ムージル」のリンク一覧