近江荒都歌
柿本人麻呂
の歌
長歌
と
反歌
二種
『萬葉集』
巻一、二九
長歌
玉だすき/
畝傍の山
の/
橿原
の/ひじりの御代ゆ/生れましし/神のことごと/
つがの木
の/いやつぎつぎに/天の下/知らしめししを/天にみつ/大和を置きて/
あをによし
/奈良山を越え/いかさまに/思ほしめせか/あまざかる/鄙にはあれど/いはばしる/近江の国の/楽浪の/大津の宮に/天の下/知らしめしけむ/天皇の/神の命の/大宮は/ここと聞けども/大殿は/ここと言へども/春草の/繁く生ひたる/霞立ち/春日の霧れる/ももしきの/大宮所/見れば悲しも