朝まだき霞やおもき松の葉は濡るるばかりの春の淡雪
「まだき」は名詞。ある時点に十分達していない時。早い時期のことを指す。単独、あるいは「に」を伴って「早くも」という意で副詞的に用いることも多い。
? 霞が重いとどうなるのか?
? 松の葉はどのようになっているのか?
淡雪がかかっていると思われる。
「濡るるばかり」ということは溶けつつあるということか?
朝、それも早い時間の様子を思うとけっこう気は冷えているのではないか。
天保暦(いわゆる旧暦)では、春はだいたい2~4月。その「朝まだき」時間の朝の冷え方を思うといいだろう。
そもそも淡雪も積っている。
? 心敬ってどんな人?
室町中期の歌人・連歌師。
? 詞書の「有心体」って何?
感動、風情の深い歌のすがた。余情深く妖艷(ようえん)、あるいは優艷な歌のさま。また、現実に基調をもつ整った趣と、思索的、反省的な味のある情緒、情操の深さを求める歌体概念をもいう。中世歌論で、藤原定家が、真にすぐれた歌一般のもつ価値として考えていた統一的、中心的理念。定家十体の一つとされる。うしんたい。(日国)
雪の解けゆく相、冷える相、
霞に重みを感じている