月草に衣は摺らむ朝露に濡れてののちはうつろひぬとも
『古今和歌集』秋歌・二四七、
読み人知らず
『萬葉集』では巻七・一三五一。
譬喩歌
―様々な事物に結び付け恋の思いを託す―の中に草に寄せる歌として収められている。
『古今集』では秋歌上、二四七に入集。
こちらは秋の歌としての意を重くとっている。
月草
この月草で衣摺りをしましょう。この青い色で衣を染めましょう。たとい、朝露に濡れてしまって、その後にうつろい、色褪せてしまうとしても。
『清唱千首』
にも採られていた。
「「
鴨頭草に衣色どり摺らめども移ろふ色といふが苦しさ
」と共に、灰かに戀の趣をも秘めてゐて、それも現れぬ程度に抑へ、暈してゐるのが、素樸なあはれを漂はせ、忘れがたい。
」(塚本邦雄『清唱千首』P158)
古今和歌集の歌
萬葉集の歌
2022-11-22
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2021-11-05 22:37
2021/9/21