『人麻呂集・赤人集・家持集』(和歌文学大系)
(著)
阿蘇瑞枝
ISBN:4625413184
柿本人麻呂
・
山部赤人
・
大伴家持
らの歌集の注釈
底本
『人麻呂集』
宮内庁書陵部蔵『柿本人麻呂集』
『私家集大成1 中古I』
で「人麿III」とするもの
『赤人集』
西本願寺本三十六人家集
『家持集』
西本願寺本三十六人家集
目次
凡例
本文
人麻呂集
赤人集
家持集
補注
解説
和歌他出一覧
地名一覧
初句索引
『拾遺集』
近辺の
私家集
成立の流れに沿った享受を踏まえておく必要あり
気に入った歌
人麻呂集
春部
一〇
梅の花降りおおふ雪をつゝみもて君に見せんと取れば消えつゝ
一八
うぐひすの春になるらし春日山霞たなびく夜目に見れども
三〇
雪見ればいまだ冬なりしかすがに春霞立つ梅は散りつゝ
三二
春されば散らまくをしき梅の花しばしは咲かずふくみてもがも
三七
年ごとに梅は咲けどもうつせみの世の人のみも春なかりける
三九
来て見べき人もあらなくにわがやどの梅の初花散りぬともよし
四一
春雨のうち降るときはわがやどの柳の枝は色づきにけり
六〇
能登川の水底さへに照るまでに三笠の山は咲きにけるかも
六二
春の野に心やらむと思ふどち出でこし今日(は)暮れずもあらぬか
六九
梅が枝に鳴てうつろふうぐひすの羽根白妙にあは雪ぞ降る
七五
朝霞八重山こえて呼子鳥鳴きや汝が来るやどもあらなくに
夏部
八三
片縒りに糸をこそ縒れわが背子が花たち花を貫かむと思ひて
*
多(示+古)の浦に底さへにほふ藤波をかざしてゆかむ見ぬ人のため
八七
春日野の藤は散りにき何をかもみ狩の人の折りてかざゝむ
一〇四
五月山花たち花にほとゝぎすかくろふときに逢へる君かも
秋部
一二二
わが背子にうらびれをれば天の川舟漕ぎ来らし楫の音聞こゆ
一二四
秋されば川霧の立つ天の川川に向かひゐ恋ふる夜ぞおほき
一五三
秋萩の咲き散る野辺の夕露に濡れつつ来ませ夜は更けぬとも
一五七
唐衣竜田の山は白露の置きし朝より色づきにけり
一五八
露霜も置く朝より神なびの三室の山も色づきにけり
一七三
夜を寒み衣雁がね鳴くなへに萩のした葉も色づきにけり
冬部
一八二
今日ありて明日は過ぎなむ神無月時雨にまがふ黄葉かざさむ
2022-05-05
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2022-03-03
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2022-02-15
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2022-02-12
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