『トランスジェンダー入門』
著者:周司 あきら著者:高井 ゆと里
性別を変えるには何をしなければならないのか。
トランスの人たちはどのような差別に苦しめられているのか。
そして、この社会には何が求められているのか。
これまで「LGBT」と一括りにされることが多かった「T=トランスジェンダー」について、さまざまなデータを用いて現状を明らかにすると共に、医療や法律をはじめその全体像をつかむことのできる、本邦初の入門書となる。
トランスジェンダーについて知りたい当事者およびその力になりたい人が、最初に手にしたい一冊。
◆目次◆
第1章 トランスジェンダーとは?
身体的特徴から推測される性別と、実際にその人が思っている性別が異なり、誤って取得する可能性がある
身体の性的特徴は雑多で複雑
変更不可能であるかのような印象を与える
「心の性」には自分ひとりの認識に基づくものだというニュアンスがあり、社会的な要素が欠落している
どの性別集団の一員として自分が属しているか
精神的な性別移行
社会的な性別移行
医学的な性別移行
男性化する
上半身の手術
下半身の手術
女性化する
下半身の手術
そのほか
そもそもトランスジェンダーの人の数は少ない
家庭
家庭での不理解
最初の壁となるのは親
生殺与奪の権を握っている
余談:オードリー・タンの場合は中学校を離れるときの方が家族の協力を得られなかった、と書いているcFQ2f7LRuLYP.icon
今振り返ってみると、私の人生で最も勇気ある決断をしたのは、男性から女性へ性別の境界を越え、トランスジェンダーとして生きると決意した時ではなく、学校を離れると決めた中学生の時でした。私が人生でしたこの二つの大きな決断は、家族からの支持の度合いも異なっていました。トランスジェンダーを公表した二十代の頃、家族は皆その決断を支持してくれました。しかし、中学校を離れた時は、家族でさえ必ずしもサポートはしてくれませんでした。だから、自分で結論を下したかどうかにかかわらず、未知の世界に足を踏み出す恐怖と不安は常にありました。
そもそも「「多様な性」についての知識の前提となる性教育の状況が悲惨」(p.82) 就労後
経済産業省で裁判があった
第4章 医療と健康
米国精神医学会(APA)が発行する「精神疾患の診断・統計マニュアル」(本書執筆時点の最新版はDSM-5)においても、世界保健機関(WHO)による国際疾病分類(本書執筆時点の最新版はICD-11)においても、トランスジェンダーであることそれ自体は、以前とは異なり「病気」や「障害」として直接的には扱われなくなりました。トランス当事者たちの訴えが世界的に認められ、トランスであることは「治療すべき病気」ではなくなったのです。これを「トランスジェンダーの脱病理化」と呼びます。 p.123
脱病理化の達成は脱医療化を意味しない(p.127)
功罪あり
第5章 法律
特例法
問題点がいろいろ指摘されている
フェミニズム
男性学