見んといて
#僕はエビちゃんのこと、何も知らんかった
「見んといて」
白い
ベッド
の上で、静が言った。
無感情な声だった。
「見んといて、恥ずかしいけん」
静の目は天井を見ていた。
「水、飲むか?」
ベッド脇の椅子に腰掛けた遥が言った。
静は返事をしなかった。
「もう少し、寝とき」
遥の言葉を聞いて、静は目を閉じた。
点滴の落ちる音が聞こえるような沈黙だけが残った。
#僕とデートせん?