僕はきっと、静と出会うために生まれてきたんよ
運ばれてきたメインディッシュを見て、静は子供みたいに嬉しそうに声を上げた。
「好きやろ?」
「うん!」
「めっちゃおいしい!」
静はハンバーグを頬張ると、僕の目を見て笑うた。
「今年はな、絶対に遥と二人でクリスマスを過ごしたかったんや」 「僕もや。ほなって僕らが付き合い始めてから初めてのクリスマスやもんな」
僕が言うと、静は少し恥ずかしそうに微笑んだ。
「僕、遥の恋人にしてもらえてすごく幸せや。こんなに僕を大切にしてくれる人、他におらんもん」
静はくすぐったそうに笑いながらほう言うた。
「僕の方こそ幸せや。僕はきっと、静と出会うために生まれてきたんよ」
僕が言うと、静は「もう……」と言いながらハンバーグを口に運んだ。
「泣いてしまいそうや」
ほう言うた静の目から、涙がこぼれ落ちた。
静が泣くと、僕も泣いてしまうんよ。