今年のクリスマス・イヴは日曜日やった
僕は静に喜んでほしいて、予定を立てて、レストランを予約した。 クリスマスにこんなにウキウキするんは久しぶりやった。 待ち合わせ場所で、いつものように静が待っとった。
「今日は特別早うに来すぎたわ」
静はほう言うて嬉しそうに笑うた。
ほの笑顔も、素直な性格も、かわいすぎるわ。
「温かいコーヒーあるよ」
僕がドリンクホルダーのペットボトルを指さすと、静はいつもみたいに「ありがとう」と言うた。
ほれから、両手でペットボトルを持ってコーヒーを飲んだ。
僕は静の飲み物を両手で持つしぐさが好きなんよ。子供みたいで、すごくかわいい。ほなけどほんなこと言うたら、静はまた頬を膨らませるんやろな、子供みたいに。ほれがまた、かわいいんよ。 特産のレンコンを使った創作料理に、僕はもちろん、静も満足そうやった。
「遥はええ店知っとんね」
静に言われて、僕は嬉しいて表情が緩んでしもうた。
「ほれはもう、静に喜んでほしいて色々調べたけん」
「嬉しいよ、遥。僕のためにええ店を探してくれてありがとう」
静はほう言うて、目を細めて笑うた。
ネットと本でこの店を探してホンマによかった。料理もおいしかったけど、ほれ以上に静の笑顔が嬉しかった。