これはなんの衣装なん?
「なぁ遥、これはなんの衣装なん?」
静はベッドで僕を見上げながら、いたずらっぽく笑うた。 僕は正直に答えた。
「こういうことしたかったんや?」
ほう言うて、静は小さな舌で唇を舐めた。いつも僕を挑発するときの仕草やった。 「したかったに決まってるやん」
静の体は年を取ることを忘れとんのとちゃうんかと思うくらい、若うてきれいやった。
「女子高生を抱きたいん?」
静が意地悪な笑み浮かべて言うた。
「女子高生の格好をした静を抱きたい」
やっぱり僕は正直に答えた。
もう、恥ずかしくて顔から火が出てまうよ。意地悪やな、静は。
「遥がしたいと思うこと、全部してほしい」
熱っぽい声で静が言うた。
はだけたシャツから見える薄い胸が、息をするたびに小さく上下しとった。
「静は、それでええの?」
僕は訊いた。静がどんな言葉で肯定してくれるんか知りたかった。
「遥がしてくれること、全部好き。この格好も、僕好き」
静は目を細めて楽しそうにほう言うてから、「はよ抱いて」と小声で付け加えた。
どんな目で見つめて、どんな声で、どんなことを言うたら僕が興奮するんか、静はよう知っとる。
僕は静に見透かされとる。
それがたまらなく気持ちよかった。