これ、パンツは履いとん?
和からぬいぐるみを受け取った円は、思わず声を上げた。
「めっちゃかわいい」
和のぬいぐるみを大きな両手で包むように持って、和の顔と見比べて、円は微笑んだ。 「は?おい!おっさん!!やめろ!!!」
ぬいぐるみのズボンをずらそうとする円の手を、和がつかもうとしたが時すでに遅し。
「おっ❤ノーパンや❤」
「やめえええ!!!」
和がぬいぐるみを取り上げようとしたが、背の高い円が頭上に掲げてしまったため、手が届かなかった。
「いけるいける、僕がかわいいパンツ作って履かしたあけん」
「なんでほんなことするんや!!!」
和が顔を真っ赤にして円の胸を叩いたが、円はびくともしなかった。
「神田橋さんがかわいいからやん」
とびきり優しい声でそう言って、円は和の頭をなでた。
「クソが~~~!!!」
それ以上、和は何も言い返すことができなかった。
和は、円のスケベな笑顔も優しい声も好きでたまらなかった。