僕のぬいぐるみどないしよん?
「神田橋さん、僕のぬいぐるみどないしよん?」
「えと、一つは枕元に、もう一つは車に積んどうッス」
円に訊ねられて、和は正直に答えた。
和は嘘が下手で、円には何を言っても見破られてしまうので、この日はあっさりと正直に話した。
「実質毎晩僕と寝よるってことやん」
にやける円の腹に和がグーパンを食らわせたが、ノーダメージだった。 「東雲さんはどないしよんスか、俺のぬいぐるみ……」
おそるおそる和が訊くと、円は目を細くして笑った。
そして腰をかがめて和の耳元に顔を近づけると、低い声で「秘密」とささやいた。 「えっ、何それ、ずるいッスよ!」
抗議する和の頭をポンポンと2回叩いて、円はどこかへ行ってしまった。