ノートに板書以外に何を書くか
上の子が自慢げに、「最近はおれ、ノートには黒板に書かれたこと以外も書くようにしてる」というようなことを言っていた。
実際、それは重要なことで、それができることが勉強ができるようになるための第一ステップだとすら言えるかもしれない。
それ以外に何を書くか。
1.先生が口で言っていただけのこともメモする。
ちょっと小さくでもいいから書いておく。
と言っても、口述筆記してもしかたないから、ある種の選球眼は必要になる。特に、要素と要素のリンクになっているような豆知識や、要素が身近に感じられるようなエピソード的な小話。 また、口頭で話される接続詞に気を付けて論理展開を読んだり、特に声音が強くなって「やけにここを強調しているな」というところに印をつけていく。 どんどん垂れ流される知識、次々に押し付けられる概念。それをひたすら取り込もうとすると、脳が受動的になりすぎることがある。(ある程度の受動は「集中」と言えるんだけど) そういうときは、何かを言われたときに「つまりそれはどいういうことか?」「それを言うことで、言われていないことは何か?」に意識を向けてみるといい。
質問としては次のようなことを板書に対してツッコんで(問いかけて)みる。質問だ。 「他にないか」
「例外はないか」
何かを定義するような文は、主語と述語でできているはずだ。
「『酸素は』『空気よりも重い』」
「『源頼朝は』『幕府を開き武士の政治を始めた』」
このとき、
「酸素以外に、空気よりも重いものはないか?(他にないか?)」
「武士の勢力のおよばなかった地域はないのか? 従わなかった勢力はなかったか?(例外はないか?)」 もちろん、板書に書かれたことすら初めて聞くような状況では、その “問い” の答えも知らないだろうし、考えてみても分からないだろう。でも、考えてみることで目が覚めるだろうし、とりあえず欄外にメモしておいて、「後で調べてみよう」と思ってみるのは楽しいことだ。 2-1.幅の広いノートを使う
いま、欄外と言った。だから、ノートには欄外がないと、思考が広がらない。だから、「スリムB5」とかのサイズは駄目だ。むしろ「ワイドB5」であってほしい。
本当はB5の縦長に対して、横幅だけA4並み(210mm)にあるという商品がほしいんだけどね。
で、そこから発展して、あらかじめ右の方から数センチのところに縦線を一本ひいて、はっきりと「このスペースは授業の本題から離れた余談的内容」ということをあらかじめ決めておくというやり方もよく聞く。 時間軸に沿ってメモする、板書を中心とした授業の内容を書くエリアと、そこから発展・または抽出されたことを書く欄外エリア。その両方の区分を自分の頭の中に持つ。 いま、線を引いて区切ると言った。区切るノート術といえば、有名なのがコーネルメソッド。
ノートの下の方を水平な線によっても区切る。
3.意見を書いておく
「教科書を使いながら、先生が、話す」という形式だと、先生自身の意見が、教科書の方向性や世間一般の価値観と若干ずれていて、「まあ、私は(●●ではなく)○○だと思うんですけどね」と言っていることがある。
また、教科書のそのページの時代より後の人がそれを批判していたりする。
あるいは、授業を聞いていたあなた自身が、別の意見を持つかもしれない。
そんな時には、それをメモしておく(このときにも欄外があると便利だ)。
私の場合だと、ついでにその文は、マンガの「吹き出し」で囲んでおく。誰かの言った『意見である』ということ見えやすくしておくためなんだけど。
こういう、ツッコミや反論、例外などを書き加えることで、もともとの情報が『被リンク』を獲得する。