プライミング効果
先行する刺激(プライマー)の処理によって、後続刺激(ターゲット)の処理が促進または抑制される効果。
プライミング効果は潜在的(無意識的)な処理によって行われるのが特徴
抑制される場合には、特にネガティブプライミング効果と呼ばれることもある
プライマー効果の分類
直接プライミング効果
プライマーとターゲットとで同じ刺激が繰り返されることで起こるプライミング効果のこと
知覚レベル(知覚的プライミング効果)で観察される現象
たとえばプライマーとして「しんりがく」のような単語を提示し、その後「し□□がく」のような単語完成課題を行わせると、プライマーとして最初に「しんりがく」を処理していた場合には、それを処理していない場合と比較して有意にターゲット単語の正答率が向上したり、反応時間が速くなったりということでプライミング効果が同定される
間接プライミング効果
プライマーとターゲットとが異なる場合に起きるプライミング効果
意味レベル(意味的プライミング効果)で観察される
たとえばプライマーとして「トラ」が提示された際に、ターゲットとして「ライオン」が提示された場合には、「ヒマワリ」が提示された場合と比較して、ターゲットの語彙判断に要する時間が有意に速くなる
プライマー効果の例
10回クイズ
ピザって10回言ってみて
じゃあ、これは?
肘でした
社会的プライミング効果
再現性が低いとされ、効果が疑われている→心理学・行動経済学等の再現性
被験者にクッキーを食べてもらうとき、
グループA:部屋には洗剤のかすかな香り
グループB:部屋は無臭
【結果】食べたあとで机の上の食べかすを掃除する人が、グループAはBの3倍だった。
若い被験者に「物忘れ」「孤独」など高齢者を連想するキーワードを盛り込んだ人物描写を読んでもらう。
【結果】読んだ直後の歩行スピードが、同年代の人より明らかに遅くなった。
プライミング効果 - 脳科学辞典