認知負荷
認知負荷研究の歴史
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名古屋大学大学院 情報学研究科 心理・認知科学専攻 認知科学講座 三輪研究室
認知負荷が高いとき
または認知資源が枯渇するとき
自閉症
p219.2
心を読む能力を失うとどうなるかを理解するための典型的なモデルが自閉症である。イギリスの心理学者サイモン・バロン=コーエンは、自閉症の状態を「マインドブラインドネス(心が読めない状態)」と読んだ。 ストレスによる適切な行動は心拍数115~145/分の間
p229.4
しかし、ストレスに対する反応が極端になるとどうなるだろうか? 『戦争における「人殺し」の心理学』(筑摩書房、二〇〇四年)という本を執筆した元陸軍中佐デーブ・グロスマンは、最適な「興奮」の状態、すなわちストレスによって適切な行動がとれるようになる範囲は、心拍数が毎分一一五から一四五のときだと主張する。
グロスマンは次のように説明する。「心拍数が一四五を超えると、困ったことが起こり始める。複雑な運動能力が衰え始める。片方の手を動かして、もう一方の手を動かさずにいるのが難しくなる。……一七五で認知プロセスが完全におかしくなり始める……。前脳が停止し、中脳、すなわち犬にもある脳の部分(ほ乳類にはみなある)が前脳の動きを乗っ取ってしまう。腹を立てたり、脅えている人と議論しようとしたことはないだろうか? 無理だ。……犬と議論するようなものだ」。視界はさらに狭くなる。行動が不適切なほど攻撃的になる。多くの場合、人は銃で撃たれると排便する。心拍数が一七五を超えるような極度の驚異に直面すると、そのような生理的な調節はどうでもいいと身体がみなすためだ。血液が外側の筋肉層から抜けて、中心の筋肉塊に集まる。進化の観点から見れば、筋肉をできるだけ硬くして一種の武器に変え、怪我で失う血液を少しでも減らそうという反応だ。だが、そうなると身体の自由が効かなくなり、不器用になる。こういうことがあるから、誰でも警察や消防署に電話をかける練習をしておくべきだとグロスマンは言う。
興奮すると相手の心が読めなくなる
p231.3
このような理由で、最近では警察署の多くが高速でのカーチェイスを禁止している。
この国で過去二五年に起きた人種差別をめぐる大規模な暴動のうち三回までもが、カーチェイス後の警官の行動によって引き起こされている。
人は時間がないと先入観に引きずられる。
p237.2
人は時間がないときにも一時的に自閉症になるようだ。
「瞬時に判断しようとすると、普段は認めても信じてもいないステレオタイプや偏見に引きずられやすくなる」
p238.3
このような理由で、最近ではパトカーには二人乗りせずに、一人だけ乗せるように、警察署の多くが方針を変えてきている。
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組織
認知負荷は人が増える理由の一部しか答えない。むしろ認知負荷はタスクの負荷である。
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マルチタスクによって認知リソースが消耗された状態でもパフォーマンスを発揮できるやり方
2016/2/6
1.負荷が大きいマルチタスクを1時間する(へとへとになるくらいやる)
2.認知リソースが消耗されていることを確認する
3.消耗された認知リソースによって、何が困難になっているかを確認する(計算する、思い出すなど…)
4.困難な原因の仮説を立てる
5.原因を取りのぞいたやり方でパフォーマンスがどのようになるのかを試す
6.有効性を確認したら、日常の生活に組み込む
結果
・記憶力が落ちる
・計算ができなくなる
・判断力は変わらない
・記憶力が必要な判断はとたんに難しくなる
・霞がかかる感じ
原因を取りのぞいたやりかた
・記憶力を使わない仕事のやり方をする
・目の前に必要な情報を提示(コックピットのHUD)して処理を進める
予見される追加の結果による検証
・そういえばマルチタスクなゲームでも画面上に必要な情報が提示されている場合12時間くらい続けてやれてしまう。
きがかり
・認知のリソースにはいくつかの種類があるのではというきがかりがある。
もしそうならそのときどきのマルチタスクの性質によって、うまいやり方は変える必要が出てくる。
今回は判断力が消耗されにくいマルチタスクだったのかもしれない
他に活かす
・ところでよく勉強会でマルチタスクゲームがあるけど、強度な負荷を与えるマルチタスクゲームはその後の学習に悪影響があるのではないか。昼休みを挟んだほうがいいかもしれない。