認知科学
認知科学とは、知的システムの構造、機能、発生における情報の流れを科学的に探る学問である。
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認知科学学会
1930年〜40年にかけて発達した情報概念をもとに諸科学を理解しようとする動きが生まれた。複数の分野からなる学際領域である。
・認知心理学=情報+心理学
・認知神経科学=情報+神経科学
・認知言語学=情報+言語学
20世紀終盤に情報と処理といった情報処理フレームワークに疑問や反論が生まれた。ロボット研究、認知神経科学、生体心理学、進化心理学といった分野の研究者によって、今まであまり取り上げられてこなかった感情、身体、環境、集団を取り込んだ。*1
認知科学(cognitive science)が認識科学ではなく、認知科学の理由は、心理学がcognitiveを認知と訳してきたことに由来するらしい。*2
認知心理学の誕生
p33
一九五〇年代以降、心理学者たちは、ウィナーがサイバネティクスと名づけた情報処理の構造と機能に関する研究やシャノンらの情報理論に影響されて、脳をデジタル・コンピュータと同じく情報処理装置と捉え、心の動きを「情報処理」という概念で解明しようと考えるようになった。これが、認知心理学である。 参考
出典
*2 同上, p2
関連する人
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2016年での状況
一九九〇年あたりに認知科学に起きてきた変化は、生物学的シフトだけではない。もう一つとても重要なシフトがあった。それは社会学的シフトと名付けることができると思う。知性を個人の内部に求めるのではなく、他者、人工物、社会、文化との関係の中で考えていくという立場である。これは認知科学の中に状況論、状況的認知という大きな勢力を作り出した。これらは、ヴィゴツキーに端を発する社会文化的アプローチ、エスノメソドロジー、ナラティブ分析、談話分析などの方法を用いることにより、社会的に分散された知性のしくみ、人が育てられていくプロセスとアイデンティティの構築などについて、重要な研究成果を積み上げてきている。
残念なことに、このキャンプにいる人たちと、本書で挙げたような研究を行うキャンプにいる人たちの間にはあまり交流がない。両方の分野で研究を行っているという人は、少なくとも私が知る限りは一人もいない。これは研究の基本に置かれている前提が著しく異なること、そして何よりも方法論が全く違っていることが原因である。
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認知科学
認知科学の目標は、実証的に計算で確認することができる認知の理論を作り上げることである(Newell & Simon, 1976)
多くの認知科学者は計算等価性原理(the principle of computational equivalence)を前提にしている。多重実現化可能性(multiple realizabillity)とも呼ばれる。 注意(attention)
知覚(perception)
意味記憶(semantic memory)
エピソード記憶(epsodic memory)
言語発達と利用(language development ans use)
概念とカテゴリー(concepts and categorization)
推論と意思決定(reasoning and decision making)
問題解決(problem solving)
手続き的そして概念的学習(procedural and conceptual learning)
意識(consciousness)
出典
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総括図書
1996年 認知科学モノグラフシリーズ 全11巻 日本認知科学会