組織運営
経営と現場の関係を表す言葉
よく「経営が現場を支える」という表現があるが、経営と現場の関係は「支える」とか、「命令する」といった関係ではない表現もあるのではないか? 画一的な表現に違和感を覚える。
スタートアップの組織運営
スタートアップでは、中の全員がそれぞれまったく違う仕事で際立たなければならない。
スタートアップでの仕事の分担を、適材適所を目指した最適化問題と考えることもできる。でも、完璧な解をどうにか出したとしても、すぐに壊れるはずだ。ひとつには、スタートアップは素早く動かなければならないので、個人の役割が長く固定されることはない。それに、仕事の分担は単なる社員とタスクの関係にとどまらない。社員同士の関係も、タスクの配分にかかわってくる。
社内の平和こそ、スタートアップの生き残りに必要なものだ。スタートアップの失敗と聞くと、競争市場の中で獰猛なライバルに倒されたに違いないと思われがちだ。でも、それぞれの会社には独自の生態系があって、内部の縄張り争いは外部の脅威に対して組織を脆弱にする。内部闘争は自己免疫疾患のようなものだ。
起業家は究極の献身の文化を真剣に受け止めるべきだ。生ぬるい仕事ぶりは心が健全なしるしだろうか? 単なる仕事と割り切った態度が、まともなやり方なのだろうか? カルトの対極は、アクセンチュアのようなコンサルティングファームだ。彼らに組織固有の際立った使命はなく、コンサルタントの入れ替わりが激しいために、長期的なつながりはまったく築けない。