展望記憶
記憶は、私たちの生活を支える基盤である。読者の皆さんがこうやって本を読めるのは、文字の記憶、文法の記憶、言葉の意味の記憶(概念)のおかげである。また、この本を読むことで新たな記憶が形成されるだろう。あるいは、自分の似たような経験を思い出したかもしれない(これは自伝的記憶という)。さらに一部の人は、この本に刺激されて「今度図書館に行ったら認知科学の本を探そう」などと考えるかもしれないが、これも記憶である(展望記憶という)。このように私たちの日常は、記憶というタイプの表象によって支えられていると言ってもよい。
出典