和田明広氏の10ヵ条(チーフエンジニアの心掛けについて)
和田明広氏の10ヵ条(チーフエンジニアの心掛けについて)
和田氏は、初代主査・中村健也氏の薫陶を受け、セリカをはじめとする数多くの主査を手掛けた。技術担当副社長の時代には初代プリウスの開発を主導し、「技術の天皇」と呼ばれた。筆者も直接ご指導いただいた。
1 日頃から考える。何にでも興味を持つ。幅広い知識を持ちたい。
2 指示は具体的に。無手勝流は最も恥ずべきこと。
3 部下から、「言った、指示した」と言われた場合、「言っていない」と言い張っては、いけない。
4 相手が説明している時間に反対事象を頭の中で整理する。反対意見は説明後直ちに伝える努力をすること。イエスと言っておいて後のナンバーはMin.にすべき。また、自分の判断が四分六まではイエス。相手のやる気のほうが大切。
5 市場調査程、信頼できないデータはない。過去の事実は素直に評価すべきだが、将来の動向には十分な検討が必要。売れないと言われて売れた車、逆の車も多い。
6 決断は速く、下手な考えは休むに似たり。
7 広く網を張った開発も必要であるが、効率に注意。
8 常に大勢集めての会議を控える。会議中に仕事は停まっていると思うべき。
9 現在、図面に全部目を通すことは不可能かもしれないが、設計部からはいつも検図されていると思われていなければならない。方法はいくらでもあると思う。質問を部長・室長・SL・担当者の順にするのも良い。
10 CE付きを育てること。また、信用し任せる努力をする。