全員で問題解決
デイリーズ
「どんどん割って入って!」とマークがけしかける。「もっと意見を言って!」
大声とノリの軽さに反して、部屋中の神経が一点に集中しているのがわかる。出席者たちが取り組んでいるのは、細部を徹底的に評価することと、建設的な批評を謙虚に受け入れることであり、それができるかどうかで作品を、「いいね」から「すばらしい」にできるかどうかが決まる。
デイリーズは、広い視野で見たり考えたりする方法を学ぶうってつけの場だ。そしてその影響は全社に及んでいるようだ。「自分がつくったシーンを人に見せて批評してもらう人もいれば、ほかの人がどんな指摘を受けているかを見にきて、同僚や私から、私のスタイル、私の好き嫌いを理解していく人もいます」とマークは私に語った。「デイリーズに出るスタッフは、つねにベストコンディションで臨もうとします。そこに集まる誰もができる限り最高のアニメーションをつくろうとしているから緊張します。全部のフレームを一つずつ微に入り細に入り何度も繰り返し確認していきますが、ときに激しい議論になることもあります。当然、私にも即答できないことがありますから。皆で答えを出していくんです」