信頼不要組織と高信頼組織
信頼不要組織の類義語:低信頼組織、安全組織
信頼構築にはコストがかかる。信頼がパフォーマンスを生むか、コストが上回るかで組織の設計が変わる。
信頼不要組織
信頼不要組織とは、人と人との間の信頼が薄くとも業務を遂行できるように様々な制度とルールを整えた組織である。
洗練の方向性が異なるだけで、高信頼性組織が優れているという話ではない。
様々なルールがある
長いチェックリストを運用している
一般社員の裁量は限られており、その裁量にはリスクがないことが確認されている
人の出入りが多い
人の出入りが多くても、パフォーマンスの変動は低い
パフォーマンスは人の成長に依存しない
洗練された信頼不要組織
誰がやっても結果が出るように高いレベルでマニュアルが整備されている
意思決定の自動化、形式化が奨励されている
人事異動が多い
極端な例
1円の決裁も役員承認が必要である(会社のリソースを使用する裁量は一般社員にはない。適切なロールが活用する責務がある)
https://gyazo.com/4dfbf7efe2f2a4611e5afc3c0eb0b895
高信頼組織
広く社員に裁量が認められている。
極端な例
クレジットカードを全員が利用できる(会社のリソースを使用する裁量が一般社員には与えられている。活用する責務がある)
関連
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余りに低信頼な組織は、資源の配布を偏らせることで権力を維持する必要がある
大統領が、首都ベイルートで発生した大爆発の被害者にとスリランカから寄付された紅茶を、被害者ではなく自身の護衛隊の家族に配っていたことが発覚し、激しい非難にさらされている。
ベイルートで先月4日に発生した大爆発では中心地が大きな被害を受け、190人以上が死亡、数千人が負傷した。同国は今でも、平時における史上最悪の災害となった大爆発の影響に苦しんでいる。
爆発の原因はレバノン当局の怠慢であり、同国における数多くの汚職の一例だと批判されている。
大爆発被害者に寄付のセイロン紅茶、大統領が側近に配布 レバノン
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お役所の規則は不信によって生まれた信頼不要組織 p11
一般にお役所仕事は非効率で、その原因は役人の怠慢にあると思われているが、そしてそのような場合も多いのだが、上の例からも分かるように、無限とも思えるほどの煩雑な規則によって非効率性を強制されている点も見逃すべきではない。そしてお役所仕事を非効率的にしているこれらの規則は、役人に対する国民の不信から生まれたものである。つまり国民は、役人を信頼しないことで巨大な無駄を生み出している。