主観的期待効用
給料日前のお金がない時に、二人の先輩MさんとNさんから別々に飲み会の誘いを受け、どちらにしようか決めなければならないとしよう。Mさんはだいたい五〇〇〇円程度の店に行って、確実におごってくれる。Nさんは一万円もかかる高い店に連れて行ってくれるが、おごってくれる確率は六〇パーセント程度である。この時、おごられることの効用にそれが起こる確率を乗じて、効用の期待値を考えるだろう。これを期待効用という。この場合、きっちり記録を取って計算しているわけではないので、確率は主観的なものである。こうした主観的確率から効用の期待値を考えることを、主観的期待効用という。期待効用は、いわゆる期待値とは異なることも多い。
主観的期待効用は、少なくとも決定を行う人に対して合理的な答えを生み出してくれる。しかしそうした計算は面倒であり、毎度そうしたことをやっているとは思えない。このような場合、やはり人はヒューリスティクスを用いている。
出典