ローカルサーチ
大企業はいわゆる「ローカルサーチ」によって問題に取り組むとビンガムは言う。ローカルサーチとは、一つの領域の専門家だけを活用して、以前に成功したやり方を試そうとすることだ。外部に広く呼びかけるビンガムのやり方はとてもうまくいき、その手法を事業として独立させることになった。社名は「イノセンティブ」だ。
パタンランゲージは?
ローカルサーチ
「企業は難しい問題ほどローカルサーチに頼ろうとする傾向がある」と、イーライリリーのビンガムは気づいた。つまり、一つの分野の専門知識と、以前に効果があった方法に頼る(第5章で紹介した、大腸菌の専門家ばかりの研究室がその例だ)。そして、それに失敗すると行き詰まってしまう。非常に困難な問題の場合、「専門分野から生まれた解決方法は、私たちの研究によると劣っていることが多い(注10)」とラカーニーは述べる。「大きなイノベーションというのはほとんどの場合、その問題から遠く離れた分野の人が、問題を別の角度から捉え直して、解決策を生み出している」