セルフ・ハンディキャッピング
Self-handicapping
自分の行動とその結果が他人の目に触れ、否定的な評価を受ける可能性がある場合に自分自身にハンデキャップを設けてしまうこと。失敗したときのために言い訳をしたり、あえて準備をしなかったりする。自尊心の守るために用いるだけでなく、もしうまくいった場合に高い評価を得られる可能性がある。印象操作の一種でもある。
アルコール依存症がセルフハンデの慢性的な形態であるとしばしば指摘される。「自分は本当はできるのに、アルコールの為に発揮できないだけだ」
berglas 1985
獲得的セルフハンデ
・行動の結果に悪い影響がでるように行動してしまうこと
・試験の前に掃除を始める
主張的セルフハンデ
・行動の結果には影響しないが、結果が悪かったときに悪い評価にならないような主張をすること
・試験勉強をし、当日に「勉強しなかったよ」と周りに主張すること
参考
Berglas, S. (1985). Self-handicapping and self-handicappers: A cognitive/attributional model of interpersonal self-protective behavior. Perspectives in personality, 1, 235-270.
特に、自分が努力しても結果を変えられないと思う場合は生じやすい。努力したにもかかわらず、悪い結果になると自己イメージが大きく損なわれるため。反対に、自分の努力によって結果が左右されるという実感が高いと生じにくくなる。
社員全員のパフォーマンスのランキングを表示すると、ランキング上位はより努力するが、ランキング下位は努力をしなくなる。ただし下位ランキングに、努力の結果による「伸び」の部分にフォーカスを当てると改善する。
相対的パフォーマンス・フィードバック(RPF)は、職場や教育現場において努力やパフォーマンスを向上させることがしばしば示されている。しかし、多くの研究がRPFの負の効果、特に低学力者に対する負の効果について報告している。本研究では、このような低学力者に対するRPFの悪影響を克服するために、個人の成績向上をスコア化した新しいタイプのRPFを研究する。400名の児童をサンプルとして、小学校の通常授業でeラーニングソフトを用いたクラス単位のランダム化比較試験を実施した。このようなRPFは、低学力の子どもにとって、高学力の子どもを傷つけることなく、算数における意欲、努力、成績を有意に向上させることが実証された。また、低学力層のうち、より多くのポイントを獲得し、順位を上げた子どもが、意欲と算数の成績を最も向上させた。探索的分析では、この種のRPFに対する反応に実質的な性差があることがわかった。この新しいタイプのRPFを用いることで、特に教育現場における不平等を軽減できる可能性があることを主張する。
Hermes, H., Huschens, M., Rothlauf, F., & Schunk, D. (2021). Motivating low-achievers—Relative performance feedback in primary schools. Journal of Economic Behavior & Organization, 187, 45-59.