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アメリカでは1年で500社が起業
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スタートアップというところは、創業者と社員が戦利品を山分けすることを前提にまとまっていると言える。ストックオプションがあるから、安定した職ではなく、リスクの高いベンチャーに飛び込むという人が多いのだ。これはスタートアップ成功の分け前を手に入れる方法であり、シリコンバレーで広く流通している貨幣である。ストックオプションにより、シリコンバレーは現代版ゴールドラッシュの現場となっているのだ。
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シリコンバレーのアナーキストなら、きちんとした組織の枠組みがなくてもうまくやっていける人材を採用すれば、完全な一致が保たれると考える。職場でのセレンディピティ や自由なカオスが、古い社会のおしきせのルールを「破壊」してくれるはずだと。ジェームズ・マディスンが言ったように、「人間がみな天使なら、政府など必要ない」はずだ。でも同時に「人間は天使ではない」ことをアナーキーな会社は見逃している。企業経営者と、彼らを監督する取締役の役割が分かれているのはそのためだ。創業者と投資家の権利が正式に決められているのもまた、同じ理由からだ。仲間と協力できる優秀な人材は必要だけれど、全員を長期的に一致させるような組織構造もまた必要だ。
たいていのスタートアップは、創業者と従業員と投資家の間で所有権を分けあっている。日々の業務を行なうマネージャーと従業員が、実質的な経営を行なっている。そして通常は、創業者と投資家からなる取締役会が、統治を行なう。
理論的には、この分担がスムーズにいく。株式所有による金銭的なメリットが投資家と従業員を惹きつけ、彼らにリターンをもたらす。実質的な経営権は、創業者と社員にやる気と力を与える ── 自分たちで業務を遂行できるからだ。取締役会による監督は、経営陣の計画に俯瞰的な視点を与える。現実的には、こうした機能を別々の人たちに分散するのは理にかなっている反面、それが不一致の原因を何倍にも増やすことになる。
一般論として、スタートアップに関わるすべての人間はフルタイムでなければならない。とはいえ例外もある。たとえば、弁護士や会計士は外部の人を雇う方が合理的だ。一方で、ストックオプション を持たない人や、固定給をもらう人とは、基本的に利害が一致しないと考えた方がいい。少なくとも、こうした人たちは短期的な利益に傾きがちで、将来価値を上げる助けにならない場合が多い。だから、コンサルタントを雇っても無駄だ。パートタイムの社員もうまくいかない。遠隔地勤務も避けるべきだ。仲間が毎日同じ場所で四六時中一緒に働いていなければ、不一致が生まれやすくなる。君が誰かを雇うなら、フルタイムか、雇わないかの二者択一でなければならない。
仕事に一〇〇パーセント打ち込んでもらうには、報酬が適切でなければならない。僕はかならず、投資を求める起業家に、自分自身にいくら払うつもりかと訊くことにしている。CEOの給料が少なければ少ないほど、会社はうまくいく。これまで数百のスタートアップに投資してきた中で、僕が気づいたひとつの明らかなパターンがそれだ。 ベンチャーキャピタルが投資するアーリーステージのスタートアップでは、CEOの年収は一五万ドルを超えてはならない。以前にグーグルではるかに稼いでいたとか、多額の住宅ローンを抱えているとか、子どもの私立学校の学費がかかるとか、そんなことは関係ない。CEOが年間三〇万ドル以上給料を受け取っていると、創業者ではなく政治家のようになってくる。高額報酬は現状維持のインセンティブとなるだけで、社員と協力して積極的に問題を表に出して解決していく動機にはならない。
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