1on1における抵抗の6階層
困っていること
優秀な部下の思いもよらない退職
社会が大きく変わっているのに、上司と部下のコミュニケーションのとり方が変わらない
ハードな労働環境はブラック企業とすぐ非難される
上司も部下も1対1の面談には嫌なイメージをもっている
社会環境の変化…1on1が取り扱うコンテキスト
個人 事情の複雑化・個別化
男性の育児参加
女性の働き方
保育園
セクシャルマイノリティ
心の病(精神病)の増加
発達障害の顕在化
納得しないと働かない若年層
キャリアの見えない時代の中で、将来に迷う若手社員の増加
社会と個人の幸福感の変化と多様性
金以外の幸せ
だから、コミュニケーションの場や方法は変える必要がある。
企業や職場環境
成果主義が終焉
ブラック企業や過労死の社会問題化
管理業務強化
仕事の分業化の進展
リーダーによる部下の育成機会の減少
職場のハラスメント
副業を行う社員の増加
職場の人と飲みに行く機会の減少
上司(マネージャー)は見られる立場になっている
市場環境
人手不足の状態化による永遠の売り手市場
転職市場の拡大による、退職しやすい環境
環境変化が早く、設定した目標が変わってしまう
個人と職場の衝突
ギスギス職場、不機嫌な職場
悩んだときに相談する人がいない
個人商店化
成長が伸び悩んでいると感じる
職場の雰囲気が合わない
昔は電話で顧客と話しているのを盗み聞きして、どんな対応をしているのか分かった。今はメールだから分かりにくくなるし、メッセンジャーアプリではまったく分からない。
子どもが熱を出したから仕事に遅れて出社するのは20年前は通らなかった。今では寛容になっている。企業は寛容を求められている。思い詰める前に話しをして部下の個別事情に早期対処するのがあたりまえになりつつある。
終身雇用(将来の生活保証)が終わるにつれて、引換に、今の生活保証に切り替わってきた。会社を中心に考える会社は衰退し、個人を中心に考える会社が選ばれる。
1on1開催者による1on1への認識
部下は自分のことだけを考えているが、選ばれる上司、選ばれる会社は、自分のことを考えている部下の個別事情をしっかり支援することとなってきている。
良い関係
言いたいことが言える。率直性。
対話の目的
分業からチーム活動への移行
部下との信頼関係が希薄→部下との信頼関係作り
部下が不安→部下の不安の解消
部下の体調が不安定→部下の心身状態の確認
部下自身の自己評価と他者評価にズレ→部下の自己認識の自覚
部下に対する質問
どんな思いで仕事をしているか
体調はどうか
キャリア
今後どのような仕事をしていきたいか
何を身につけたいか
部下が1on1してもらってよかったこと
整理してもらう
親身に聞いてもらう
言いたいことを言える
上司が1on1に消極的な理由
今までの解決方法
上司と部下のほとんどの会話は短期的な結果に向けた情報交換
必要ないと考えている、つまり問題の存在に同意していない
上司の思い込みで1on1を避けている
部下からの不満もなく、自分はマネジメントをうまくやれているから
部下が優秀で自律して動いているので、邪魔をしたくない
1on1の意義や目的が納得できていない
1on1による解決状態に合意していない
上司と部下との間の信頼関係
単純接触効果で好感度が高まる
部下のことをしらない
高校の部活動
高校、大学で熱中していたこと
心身が不調ぎみだった部下が、いきいきと働き出す
体調がすっきりしない
最近、寝れていない
業務が多くキャパオーバー気味
やる気のなかった部下が自発的に働き出す
やる気の基本的欲求
関係性 相手に受け入れられていると感じる
有能さ 自分にはできると自己効力感をもてる
自律性 物事は自分で決められる
評価査定の後、不機嫌になる部下がいなくなる
評価への不満
自己評価と、他社からの評価のギャップ
評価への不満が高まるのは、フィードバックの機会が少ないから
仕事に飽きてきた優秀な人材が、再び情熱をもって業務にチャレンジする
優秀な人材は自律していて手がかからないため、放置しがち
上司から部下への一方向の信頼はあるが、部下は放置されていると感じるので上司に対する信頼が薄い
一人で仕事ができるわけなので、上司を不必要だと感じるようになる。評価査定に不満を持つようになる
優秀でない人材はは手がかかるため手厚いマネジメントをしがち
優秀な部下への対応
今の業務と今後のキャリアを紐づける
新しい役割を互いに話す
上司側からの報連相を行い、全社課題を共有する
飽きや慢心を捉えて、環境や目標を変える
後手対応から先手対策に人材マネジメントが変わる
1on1は先手対応
後手対応の害
心身の不調
能力不足
部の方針とは異なる仕事をしている
突然の退職
部下からのちょっと良いですか?のミーティング時間が本当にちょっとになる
ちょっとが1時間にもなったりすることが、減る
部下から声をかけやすくなり報連相が増える
1on1するとどうなるか
部下にとって
相談ハードル高い->低くなる
モヤモヤが続く->すぐに解消
長時間のちょっと->ほんとにちょっと
寝耳に水の退職がなくなる
問題解決の場ではなく、問題発見の場
じっくり話を聴くと相手からやりたいことがでてくる
異動希望に応えることができる
以前の上司からは放置プレイされていたが、1on1でこんなにも自分のことを見てくれて感動した
上司に話しかけやすくなった
1on1で解決できると合意していない
上司は部下の不満や問題を解決できないと考えている
上司自身が過去の面談で嫌な思いをしている、
自分が、過去、上司との面談でトラウマ
自分が、過去、上司の自慢話を聞かされ続けた(飲み会と混同、武勇伝)
相談したら説教された
詰められた
相談して私が良いと言っているのに、『まだお前は納得していない』と言われて話を聴かされ続けた
監禁された
忙しい、つまり1on1を実施するまでに障害がある
プレイングマネージャー
他人を知るのがめんどくさい
場所によっては30人の部下を持っている職場もある。組織設計の失敗
優先順位が低くてやれない
めんどくさい
業務の方が楽しい、やりがいがある、人間関係は面倒(プレイングマネージャー)
勉強しないといけない
苦手意識
実施の方法を知らない
自分の上司に1on1をされてこなかったので、分からない
上司にとって、今のマネジメントスタイルに最も影響を与えた人は誰かと聴くと「今までの上司」という回答が多い
今までの上司と頻繁な相談を体験していないため、部下との関係のイメージを持てない(1on1している人は多頻度の相談の機会を体験してきた)
1on1という解決方法には副作用がある
仕事が増える
相談したら解決できない問題を抱えることになるかもしれない
自分の出世に役立たない(クラウド)
米調査会社ギャラップ 2016年の調査
会社を辞めた人の内、50%が上司から離れたいから
つまり、従業員は会社から去りたいのではなく、上司から去りたい
1on1の1つの目標
部下について、社内で一番知っている人になる。