日本UNIXユーザ会
日本UNIXユーザ会
当時のUNIXはPDP-11やVAXなどDEC製のマシンで動作していたので、UNIXに関する情報交換はDECのユーザ会であるDECUSで行われていました。石田先生をはじめUNIXに魅力を感じる人達が集まり、いわゆるITコミュニティの先駆け的な存在だったのではないかと推測されます。
UNIXに関する情報交換の場はもはやDECUSの枠には収まらないだろうということで独立することになり、jusが設立されました。jusの設立に尽力された方は先述の石田先生や村井先生の他に、jusの初代会長を務められたSRAの岸田孝一さん、慶應義塾大学の斎藤信男先生などです。
jusの活動は1983年6月、第1回jus UNIXシンポジウム(機械振興会館で開催)でスタートしました。
UNIXが普及した理由の一つに、ネットワークへの接続に適したOSだったことが挙げられます。米国ではARPANET※1のベースとなり、日本でも各地のUNIXマシンを相互接続してJUNET※2が形成されました。jusでは1986年からUNIX Fairを開催し、各社のUNIXマシンおよび関連製品の展示を実施しましたが、それは同時に各社のマシンが相互接続できるかどうかを検証する場でもありました。この活動はやがてInteropに受け継がれ、日本におけるインターネットの発展に大きく貢献しました。
jus設立の経緯についてです。当時、DEC社(Digital Equipment Corporation)の日本におけるユーザーグループの中に「UNIX SIG(分科会)」があり、その興味対象がDEC以外のUNIX製品にも広がっていったことから独立発展したのがjusの始まりだったということです。
初期にUNIXの相互検証の場となった「UNIXシンポジウム」では論文発表や展示がありましたが、いわゆる学会ではないため当時としてはかなりラフな発表もあり、比較的自由な雰囲気で開催されたそうです。
また「UNIX Fair」では、参加者が持ち込みんだマシンを会場のネットワークにつながせる代わりに皆が触れるようにしてもらったり、その場で、ナプキンに書いたベンチマークコードを手分けして展示マシンに入力し、ベンチマークを実施するなど、「普段やれないことをやりたおす場」として非常に面白かったことなどが語られました。
1994年7月25日~7月29日:NetWorld+Interop 94' Tokyoを幕張メッセで開催(第1回開催である)
1990年 4月 WIDE Internetに接続