全体性の肯定
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例えば「その猫」が好きなのか、「猫類」が好きなのか、という違いはあって、これは「その人」を愛でるのか、「女(男)」として愛でるのか、つまりは「その人/その代名詞」など、あるいは「その作品/芸術」などといった、「個/属性(代名詞)」それぞれへの眼差しの違いとおなじことである。以前、「まるっと承認ってなに?」と訊ねられたので、「個/属性のうち、どちらを愛でるのかということです」と説明した。「個」を愛でるひとは、「私」の他性・破れをも、まるっと承認していくが、「属性」を愛でるひとは、それとの関係によって承認される「私」のアイデンティティーを愛でている。