感情を連続性において捉える
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喜びを感じることがポジティブ、悲しみを感じることがネガティブなのではない。喜びも悲しみも、感情をその連続性において十分に味わえることがポジティブなのだ。悲しみや喜びといった、連続性の一局面に過ぎないものに固執し、そこに発生した澱みにとらわれてしまうことがネガティブなのである。喜びに溢れたときにそれを失うことを不安に思い、悲しみに沈んだときにその状態を逃れようと足掻く。ネガティブとはそうした態度のことだ。今、ここに立って、訪れる喜びや悲しみを迎え入れ、去っていく喜びや悲しみを送ってやる。ポジティブとはそうした態度のことである。 この言葉に出会えただけで、この年が素晴らしい年であったとも、総括してしまえる(かもね)ggkkiwat.icon
良い大人と悪い大人を、きちんと区別出来る目を養ってください。良い大人とは、言うまでもなく人生のいつくしみ方を知っている人たちです。悪い大人は、時間、お金、感情、すべてにおいて、けちな人々のことです。若いということは、はっきり言って無駄なことの連続です。けれど、その無駄使いをしないと良い大人にはならないのです。死にたいくらいの悲しい出来事も、後になってみれば、素晴らしき無駄使いの思い出として、心の内に常備されるのです。私は、昔、雑誌で、悩み事の相談をやっていましたが、本当は、他人が他人にアドヴァイス出来ることなど何もないのです。いかに素敵な無駄使いをしたか。そのことだけが、色々な問題を解決できるのです。学生時代の放課後は、その無駄使いのためのちょうど良い時間帯なのです。と、いうわけで、なあんにも考えずに、恋や友情にうつつを抜かして欲しいものだと、私は思います。無駄使いの道具として、この本が役立つことを願っています。(p213-214)