「分断」という概念
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とても批判的にこの言葉を見ている
「社会の分断が深まっている」という表現は、したがって、ありもしないどころか、誰も具体的には想像していない“社会の一体感”のようなものを前提あるいは想定した上で使われている表現ではないか。だから違和感があるのである。
意見の不一致は政治の出発点であって、それが存在しないかのように政治が進んでいくことは恐るべき事態を招く。この意味では「分断」は政治の条件ですらある。
「社会の分断が深まっている」という表現を繰り返し耳にするが、違和感がある。いったいどのような意味で「分断」と言われているのだろうか。「ポピュリズム」と言葉と同様の、現象の雑なまとめという気がしてならない。 問題は分断ではなく、非対称な権力の構図であることがある
細分化したらそりゃ、みんな違うのです
トランプ支持層やポピュリズムに走る人は、そうでない人に比べて一生の間の移動距離が少ない人(地元に留まる人)が多いということが語られている。日本でも地方では地元に残る層と都市部に勤めるために移動する層に分かれるが、アメリカは国土が広大なので、この断絶がより急激で深かった。「広大な国土を移動することが、政治思想や社会の分断に影響を与えている」という発想が面白かった。 [論考]反自動化経済論 無料はユートピアをつくらない from: ゲンロン12 小川さやか.icon彼の説が正しいと仮定すると、SNSは社会の分断を反映しているのでもなく、SNSに溢れるデマに踊らされる人間が分断を促進しているのでもなく、自身に真に関係ない情報ならデマであろうと不確かであろうと情報を拡散してしまう「人類としての生存戦略」と、たとえ重要な情報でも自身の信念や利害にそくわないものは信じないという「警戒心の高さ」が、SNSの見かけ上の分断をつくりだしていく原因となる。(p242-243) 意見対立を封じるために使われることがある
(…)ある時期から批判を封じるために「分断」という言葉が使われるようになっている。意見対立を「分断」という図式にすり替えれば、大勢に従わない人間は「分断を引き起こし秩序を乱す」として負い目を感じさせられる。