「人間とはなにか」第1部講義メモ
第1期第2回「人間とはなにか──遊びから考えるヒトと動物の社会性」(2023-03-26)
00:07:00 ディスカッション前説
「人間の特異性とは何か?」を来場者でディスカッションする
00:15:11 イントロダクション
00:15:51 青山さん自己紹介
専門:言語人類学、記号学
00:18:56 山本先生発表スタート
自分自身が遊びの研究をしているわけではないので、他研究者の「動物と遊び」についての研究を紹介したい(山本)
00:20:23 「人間の特異性とは何か?」ディスカッションの発表
遺伝的に獲得した形質以外の行動(本を読んだり)で学んでいける
人と動物の後天的な形質獲得の違いは、質的な違いでなく、量的な違いではないか?(山本)
人生などに悩む
「悩み」はシンプルだけど人間らしさなのでは?(青山)
病気で寝たきりになったチンパンジーがため息をつく(山本)
利他性、トゥーマッチな利他
00:27:26 ヒトとは何か:遊びからはじめる社会的知性の進化的探求
猿文字がつくれる→そのくらい寛容性がある(山本)
卒論でニホンザルの研究→院からチンパンジーの研究→その後ボノボ、犬、馬など
00:30:22 動物心理学・比較認知科学・野生動物科学
動物そのもの、自然そのものに興味がある(山本)
実験室での心理学実験と、野外でのフィールドワークとの組み合わせが特徴(山本)
松沢哲郎先生の研究室の出身で、松沢先生は実験研究と野外研究を組み合わせていた(山本)
00:37:37 自己紹介
どこのカウボーイ…(青山)
イエメンでの経験
これだけ他者を受け入れてくれる文化を持ちながら、国内の仲間同士で激しい内戦をしてしまうのはなぜなのか?(山本)
00:45:45 tokada「「人を理解するのに人だけ見ててもわからない」は確かに」
00:45:16 分布域:ヒト
南極大陸とグリーンランドの内陸以外はヒトが定住している
ヒト以外の霊長類は基本的に熱帯雨林にしかいない
青森のニホンザルが北限
ピグミーチンパンジー→ボノボ
200万年前ごろにヒト科と分岐
00:48:43 絶滅の危機に瀕する隣人猿
00:50:59 世界人口の推移
この数百年でヒトは爆発的に増えている
ヒトはなぜ増えたのか?(山本)
文化
協力
00:52:33 霊長類の進化
00:54:49 masakiueta「下から上ではなく左から右なのだと。なるほど。」
00:55:04 研究歴
00:56:26 「利他的な」コイン投入実験
コインを入れると相手の部屋にリンゴが出る環境で協調できるか
実験中の動画
01:01:01 trtn「平田オリザさんの「北限の猿」を思い出します」
01:03:58 tokada「動物の母親は子供に食べ物を分け与えるイメージがあるけど、そうでもないのか」
01:01:51 利己的な戦略
数字を覚えたチンパンジーとして有名なアイ
実験中の動画
01:03:17 互恵性は成立するか?
実験中の動画
「これ待ってますね」(青山)
互恵的協力関係の崩壊
01:06:51 tokada「ナッシュ均衡に陥った?」
交互にコインを投入する場合は成立するが、不均等な場合は互恵的にならない
01:10:35 rooney「損をする不平等のみ気にしてる」
01:11:17 チンパンジーは手助けするか?
要求に応じた手助けはするが、自発的にはしない(山本)
01:14:30 相手が必要としている道具を理解している?
相手が必要としている道具は理解している(山本)
実験中の動画
「結構激しいですね、要求が」(青山)
チンパンジーは相手の状況を見て、何が必要かはわかっている。しかし、自発的には行動しない(山本)
01:19:35 rooney「相手の要求を先回りしない、てことですね」
「指差しはしないんですか?」(青山)
人工環境で育てられたチンパンジーは指差しをする場合があるが、自然にはしない(山本)
文化化(エンカルチュレーション)の問題
01:20:47 要求に応じるチンパンジー 自発的に助けるヒト
ヒトとチンパンジーの共通祖先では、要求に応じた利他行動をしていた
自発的利他がヒト独自(?)の進化?
ポジティブな快情動の伝染がヒトの特異性といえる(山本)
一般的に認識されているヒトの特異性である言語、象徴操作能力ではなく、そのの手前の情動的な認知こそがヒトの特異性だとわかったということ(青山)
01:25:09 meta_3「理性と考えがちですがヒトは情動が発達しているんですね」
01:25:16 harada「ミラーニューロンの発達が人と人と動物ではどう違うのだろうか」
01:26:21 rooney「人はじゃんけんした時にあいこの確率が高いそうですね」
01:26:58 rooney「ジョセフヘンリックの文化進化論によると」
直接互恵と間接互恵、間接互恵を成立させる評判
評判を社会で共有するには言語による伝達が必要であり、この言語を前提とした評判を介した間接互恵がヒトの特異性と考えられる(山本)
直接互恵の世界では利他は自分の適応度を下げるが、間接互恵の世界では利他により社会での評判が上がれば自分の適応度が上がる
再帰性の議論(青山)
規範の内面化(山本)
01:34:17 質疑応答1
01:34:26 道具渡しの実験は同じ個体でのデータなのか? / 擬人化がよくないのはなぜ?
ペアで複数回繰り返した実験の結果(山本)
もっとシンプルな説明ができるのに、ヒトの高度な行動に当てはめてしまうのが問題(山本)
「人間とはなにか」第2部講義メモ